2005/6/6 世界選手権代表選手記者発表
末續と沢野の追加代表入り条件などに言及
男子1万mの選考規定優先順位変更に質問が多数


澤木強化委員長から
「まずは3つ申し上げたい。末續選手は選考基準に当てはめれば、日本選手権に出なくても、今回も選ぶことはできた(「標準記録有効期限内のA標準突破者で、日本選手権以外の選考会に優勝し、本大会での活躍が期待される選手」)。しかし、故障で2回レースに出場していない。“走れる”ことを重視して、7月10日の南部記念までに、南部記念以外でもいいので、走れることを見せてもらいたい。そういう理由で今回は保留にした。
 同様に沢野選手も、今シーズンと昨シーズンの実績から、選ばれる基準に到達しているが、あえて前代未聞と言わせてもらうが、他の全ての選手の試技終了後に跳び始め、その最初の高さを跳べない大失敗をしてしまった。他の大会で汚名返上をしてほしい。
 女子走幅跳は日本の陸上競技史上始まって以来の大接戦。試技内容も甲乙付けがたく、サード記録で勝敗が決まった。跳躍ブロックからは2名の名前が挙げられてきて、この種目の取り扱いは本当に苦慮した。苦慮した結果、我々としてはあえて、競技者としての美学で選んだ。今後、2人がA標準を跳べば、2人とも代表にしたい」

以下、記者団との質疑応答(一部省略)。
Q.今後の追加代表枠は?
強化委員長 短距離(各リレー)は5名ずつまでと言ってある(全体枠もオリンピックと違い、陸連の考えで多少は増やせるとも言及)。
Q.今回、選考基準の優先順位が示されましたが、男子1万mでは3番目の選考基準であるA標準で日本選手権入賞の大森輝和選手(くろしお通信)でなく、4番目の基準であるB標準で日本選手権優勝の三津谷祐選手(トヨタ自動車九州)が選ばれているのはなぜですか。
強化委員長 捕捉ということで、若干の変動はある。どちらを選ぶのかというと、勝負強さを選んだ。そう、担当ブロックからも上がってきた。
Q.その辺が、本番での期待できるという部分ですか。
強化委員長 活躍を期待できない選手を選んだのかと言われたら、そうではない。
Q.沢野選手は今後、どのくらいの高さを、どういった状況で跳んだら追加代表入りできるのでしょうか。
強化委員長 本人の強化の流れで、いくつかスケジュール(試合予定)がある。その流れを見るということ。5m80じゃなければダメとかいうことではない。原案作成委員会でも今回、入れるべきとの意見も多かったが、日本選手権の重みを考慮して保留した。
Q.男子1万mの件は説明不足だと思います。優先順位は覆らないものとする、と明記してあるにもかかわらず、実際は覆っています。
強化委員長 法制委員長の解釈も参考にしたし、優先順位の順番のままやると、********女子走幅跳も出せなくなる(聞き取れず。選考できなくなる選手も出てきてしまう、というニュアンスだったと推定される)。その他の種目もある。この部分に対しては流動的に解釈させてもらいたい。
Q.勝負強さを優先して、選考基準の(3)と(4)が逆転したということですか。
強化委員長 全てをがんじがらめに規定するのはどうか。予測できないことも起こる。私たちとしてはこの順位にしたということ。選考規定の上から順番にはならなかった。勝負強さを重視した。
Q.大森選手を落とすための解釈にとれますが?
強化委員長 そうとられるのは極めて心外。採択した選手と、そうでない選手というだけ。担当コーチがすべての競技会を見たなかで、日本選手権の勝負強さを重視した。
Q.大森選手に勝負強さがなかったということですか。
強化委員長 あった、なかったではなく、日本選手権で**********************(聞き取れず)、一連の競技会の流れで若手に期待をかけたということ。
Q.大森選手は歳をとっていると?
強化委員長 短距離を見ても新陳代謝はある。長距離はかなりの年齢まで可能な種目だが、アテネ五輪も若い大野(大野龍二・旭化成)選手を選んだ。今年も若い選手がトップに立って、長距離の担当者が序列を考えた。
Q.選考基準に沿わなくてもいいと。
強化委員長 解釈上、そうであると申し上げている。この通りであると。
Q.ここには書いていないが、そう解釈したと。
強化委員長 そうです。ただ、三津谷選手には条件を付けてある。ホクレン・ロングディスタンスに出場し、A標準に挑戦することです。三津谷選手が破れば、2人出られる。


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