2005/2/13 東京国際マラソン
レース後の1・2位共同会見
「(24kmでは)これ以上、ここにいるのは僕の目指しているものじゃないと感じた」(高岡)

Q.改めてレースを振り返ると?
高岡 本当にいい状態で東京に来られました。優勝を狙ったレースもできて、タイムも積極的に狙って行けました。そういったレースができたと思います。
バヨ 2位には満足しています。タイムもそれほど悪くはない。自分でレースを組み立て、狙った走りはできました。
Q.24kmでスパートしたところと、その後の坂の走りを振り返ると?
高岡 ペースメーカーが30kmまで行く予定でしたから、そこで残っているメンバーで勝負と思っていました。しかし、予想していたよりペースが遅く、これ以上、ここにいるのは僕の目指しているものじゃないと感じて、自分から行きました。坂は、東京を走ると決めたときから、覚悟を決めていた部分。それがプラスになりました。特別に坂の練習をしていたわけではありませんが、アテネ五輪を目指したときからそういう場所で意欲的に練習してきました。1年経って、それが生きましたね(笑)。
Q.フィニッシュ・テープを切ったときの感想は?
高岡 初めてのことで…ようやく勝てたな、という気持ちでした。本当に多くの方に期待してもらって、応援していただいて…。時間がかかってしまいましたが、本当に勝てて嬉しいです。
Q.実際に坂を走ってみた感想は?
高岡 みんな、きついきついと言っていましたが、僕もやっぱりきつかったですね。一生懸命、上りました。
Q.10kmまでは気負いがあったのですか。
高岡 ペース通りに行っていませんでしたから、途中、品川で監督から苛つかないようにアドバイスされ、このペースで我慢するんだと言い聞かせました。
Q.ペースメーカーの横に出たとき、何と言ったのですか。
高岡 正しいかどうかわかりませんが、speed up please と。
Q.過去4回のマラソン経験が、どう生きましたか。
高岡 あのペースでもまったく不安を持たずに突っ込めました。最後まで行けると思えたし、実際、最後までしっかり走れました。
Q.逆に過去4回よりも、上手くできたなと思える部分は?
高岡 先頭を走ると、後半も頑張れたことです。たくさんの人の中を頑張れるのは、気持ちよかった。
Q.福岡は失敗とはいえない3位だったとお聞きしましたが、そのレースで得たこと、反省したこと、それらがこの1年間でプラスに働いたこと、1年間貫いてきたことなどは?
高岡 オリンピックには行けませんでしたが、それまでも精一杯やることはやってきました。後悔するところはなかったんです。ただ、僕に期待してくれた人たち、応援してくれた人たちに申し訳なかった。確実に勝てる方法は、1人で最初から最後まで1人で行くことです。もちろん、練習で40km走などもしましたが、(1km)3分ペースで常に練習してきました。1人でも、常にリズムを大切にして。
Q.抜け出したところは、練習のような表情でしたが。
高岡 イメージとしては、練習で3分で刻んでいる感覚で走っていました。
Q.強さを見せられたレースだったと思いますが。
高岡 タイム的にはあれですが(2時間06分33秒の大会記録は出せなかったが)、そう感じてもらえるなら、頑張って坂を上った甲斐があります。

「ベストコンディションに仕上げられれば、世界選手権でも勝負ができる」(高岡)

Q.(質問不詳)
高岡 20km前から行きたくて仕方がなかったのですが、24kmでも、もう1km待つか考えました。ここにいるよりも、自分で行く方が、目指すものだと思ったんです。
Q.ペースが上手く流れたら、どのくらいのタイムが出ていたと思いますか。
高岡 終わった後なので好きなことが言えることですか、大会記録くらいは行けたんじゃないかと。
Q.次の目標は?
高岡 スタートラインに立てないことには意味がないことを、(アテネ五輪代表漏れで)痛感しました。世界選手権のスタートラインに立てることが嬉しい。アテネでできなかった世界一を、ヘルシンキでやってみたい。
Q.どんなスケールアップをして、世界選手権に?
高岡 何かをして強くなろうではなく、大会の行われる日にベストコンディションに持って行ければ、誰であろうと勝負できると思います。
Q.坂で追い上げられる不安は感じませんでしたか。
高岡 沿道から400 m差があるとか、2分空いているとか、声をかけてもらっていたので、怖さはなかったですね。
Q.3週間前に体調を崩した不安や動揺はなかったですか。
高岡 少し不安になりましたが、休み明けの練習で軽く感じられたんです。3週間前にこんなに軽くていいのかな、とも思いましたが、スムーズに練習に戻れたので安心できました。
Q.給水は2度ですか?
高岡 3回か4回くらいだったと思います。
Q.世界選手権ではペースメーカーがいませんが、最初から行きますか。
高岡 (苦笑しながら)ぜひ、ぶっちぎって勝ちたい。それが僕の持ち味と思ってやれれば最高かな、と。
Q.34歳のマラソンは、改めてどんな意味だったと考えていますか。
高岡 確かに年齢は34ですが、まだまだマラソンは経験が浅いと思っています。多くのことに取り組んで、高い目標を持ってやっていきたい。
Q.初めて半年のインターバルでのマラソンでしたが、自信になったでしょうか。
高岡 取り組み方が少し違いましたが、短い期間でこういう結果が出せて、また次をやる自信になりました。学ぶことが多かったです。
Q.世界選手権でも記録を狙いますか。
高岡 世界選手権の目標は世界一になることです。勝つことにこだわっていきたい。世界選手権だけは、記録へのこだわりを捨てる勇気が必要です。


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