2005/7/9 南部記念前日
最終選考会前日、追加代表選手候補たちの状態は?
「コンディションはピーク時の7〜8割。とにかく元気な姿を見せたい」(末續)

 男子4×100 mRの追加代表候補は五指に余る。末續慎吾(ミズノ)は日本選手権を故障で欠場したが、選考基準にはすでに該当しているため、それなりの走りをすれば追加代表は決定的。この日は東海大で練習をしてから札幌入り。共同会見には出席しなかったが、ミズノを通して以下のようなコメントを発表した。
「6月19日から7月2日まで沖縄で個人合宿を行い、スピード練習を中心に、自分のペースで充実した練習ができました。ケガの痛みはなく全力で走れる状態まで来ています。コンディションはピーク時の7〜8割。あくまで世界選手権にピークを持っていくことを目指しています。明日のレースは記録や順位にこだわらず、現時点でどのくらいの走りができるかを確認したいと思っています。北海道でのレースは3年前の南部記念以来。コンディションも整えやすい気候ですし、とにかく元気な姿を見せたい」
 3年前の南部記念は、今回と同様に日本選手権をケガで欠場し、釜山アジア大会の追加代表入りを決めたレースである。
 その他には日本選手権100 m4位の川畑伸吾(群馬綜合ガードシステム)、同5位の吉野達郎(RaSport)、同6位の宮田貴志(福島県南陸協)、同7位の田村和宏(セコム上信越)、同8位の小島茂之(アシックス)らが有力候補。小島にとっても南部記念は、2000年のシドニー五輪代表を決めたゲンのいい大会である。日本選手権は準決勝止まりだったが、アテネ五輪代表の土江寛裕(富士通)と松田亮(広島経大ク)もいる。なかでも吉野は200 mでも日本選手権2位で、南部で代表選手と末續を除いてトップとなれば代表に大きく近づく。

 男子400 mはユニバーシアードに専念する山口有希と太田和憲の東海大勢は南部記念を欠場。4×400 mRの追加候補は日本選手権4位の堀籠佳宏(日体大)、同6位の冨樫英雄(山形TFC)、同7位の田端健児(ミズノ)、同8位の向井裕紀弘(岐阜ES事業団)ら。日本選手権は決勝に進めなかったが、アテネ五輪代表だった伊藤友広(秋田ゼロックス)もいる。そして、忘れていけないのが昨年A標準を突破している小坂田淳(大阪ガス)。日本選手権は故障で欠場したが、4月の織田記念は優勝。「ベテランらしい走りをします」と、静かに燃えている。

 A標準突破と追加代表争いが、同時に繰り広げられるのが男子110 mH。日本選手権3位の田野中輔(富士通)は日本選手権後、体調が落ちてしまった。千葉県選手権は予選が13秒86で準決勝・決勝が14秒台。向かい風が強かったこともあったが、疲れが出てしまったようだ。しかし、「やっと戻ってきました。今日、走った感じは悪くありません」と、最終選考会に間に合った。
 日本選手権4位の大橋祐二(筑波大)は埼玉県選手権で13秒57とA標準に0.02秒と迫ったが、日本インカレは2台目を倒してリズムを崩し、3位と敗れてユニバーシアード代表を逃した。しかし、「ショックがないと言ったらウソになりますが、こっちに集中しろということ」と、逆に背水の陣を敷くことができた。「自分のレースができれば13秒55は出せます。完璧だったらもっと行けます」と、世界選手権しか見ていない。

 女子5000mは佐藤由美(資生堂)がホクレン札幌大会で15分19秒68とB標準を突破。簡単に出せる記録ではないが、A標準(15分08秒70)に挑戦する。川越学監督は「最後なので最初から行きますよ。この前もまだ、出し切った感じはしていません」と、最後の可能性に望みを託していた。


寺田的陸上競技WEBトップ