2005/8/28 北海道マラソン
嶋原がラスト2.195kmを7分35秒でカバー
男女全体でも3番目のタイム

 女子2位の嶋原清子(資生堂)がラスト2.195kmを7分35秒でカバーした。優勝した千葉真子(豊田自動織機)との差を、そこだけで25秒も詰める、女子の中で群を抜いているタイムだ。女子だけにとどまらず、男子の上位10選手の中に入っても3番目という好タイムである。

千葉と嶋原の5km毎通過タイムとsplitタイム
  5km 10km 15km 20km 中間点 25km 30km 35km 40km 42.195km
千葉真子 17:04 33:47 50:41 1:07:46 1:11:32 1:25:07 1:42:37 2:00:02 2:17:46 2:25:46
  17:04 16:43 16:54 17:05   17:21 17:30 17:25 17:44 8:00
嶋原清子 17:06 34:07 51:09 1:08:26 1:12:15 1:26:01 1:43:39 2:01:03 2:18:39 2:26:14
  17:06 17:01 17:02 17:17   17:35 17:38 17:24 17:36 7:35

男子上位10選手の残り2.195km
渡辺共則 7分29秒
J・マイナ 7分47秒
M・カリウキ 7分59秒
佐藤智之 8分04秒
小林誠治 8分19秒
押切章宏 7分48秒
J・ワイナイナ 8分30秒
佐藤信之 7分31秒
入野 勉 8分02秒
片岡祐介 7分48秒

 男子の方がコンディションが悪かったのかとも思われたが、40km地点では26℃、60%、0mと男女ともまったく同じ。フィニッシュ地点では男子の26℃に対し、女子の方が27℃と上がっている。風向きも影響するので、まったく同じ条件だったとは言い切れないのだが、女子の上位2選手がきっちり走りきったのに対し、男子はいまひとつだった。

 7分35秒は5kmに換算すると17分16秒。嶋原は「40kmからは意識して切り換えました」と、最後をペースアップしたことを振り返る。東京国際女子マラソンでも終盤の追い上げで千葉を逆転し、日本人1位となっている。終盤の切り換えは嶋原の武器といっていいだろう。
 課題は、前半から中盤で置いていかれないこと。千葉が強かったとはいえ、走り方によっては今回もなんとかなったかもしれない。
「25kmから30kmで自分が前に出ることになったとき、男子選手も落ちてくる人だけで、ペースをつくれませんでした。その辺が難しいですね。最後に失速することを怖がってしまい、なかなか思い切って行けません」
 力を出し切れなかったか? の問いには、しばらく間があった。
「出し切れなかった、という感覚はありませんが、余力はあったかもしれませんね。30kmから誰かがいるか、千葉さんが近くにいたら違っていたかもしれません」

 資生堂の先輩の弘山晴美は、国士大の先輩でもあり、中距離から距離を伸ばしてきた点も共通している。その弘山が、同じようなことをヘルシンキで経験している。
「コースに対して構えてしまいました。(かといってラドクリフの先頭集団についていたら)それも、どうなったかわかりません。あのペースできつくなかったとかといえば、そうでもなかった」
 抑えていたわけではないが、レースの流れへの乗り方次第では、違った走りができていたかもしれない。その辺がマラソンの難しいところだ。


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