2005/1/23 全国都道府県対抗男子駅伝
底力を見せたダブル佐藤が区間2位に大差!
秀和は
大会史上最大の54秒
悠基は
1区で過去最大の17秒

 “ダブル佐藤”こと仙台育英高・佐藤秀和(5000m高校記録保持者)と佐久長聖高・佐藤悠基(1万m高校最高記録保持者)が、不完全燃焼だった全国高校駅伝から一転、底力を見せた。同じ区間で直接対決が見られなかったのは残念だったが、1区の佐藤悠基は19分51秒の区間タイ、5区の佐藤秀和は24分07秒の区間タイをマークしたのである。
 表面的なタイムは気象コンディションやレース展開に左右される。むしろ、後続選手とのタイム差の方が、“すごさ”を正確に把握できる。

 1区の佐藤悠基は4km過ぎでスパート。中継所までデッドヒートが続くのが当たり前になっていた今駅伝の1区で、珍しい独走を演じて見せた。区間2位の阿久津圭司(群馬・農大二高)も5000m13分台の強豪選手だが、17秒差をつけて2区に中継した。今年が10回目と歴史の浅い駅伝だが、1区における区間1・2位のタイム差は以下の通り。

第1回(96年)1秒 1位・前田康秀 2位・小山大希
第2回(97年)0秒 1位・小川博之 2位・杉山智基
第3回(98年)1秒 1位・佐藤清治 2位・徳本一善
第4回(99年)2秒 1位・佐藤清治 2位・井中将貴 ※この年まで5km
第5回(00年)2秒 1位・藤井周一 2位・前田和浩 ※この年以降は7km
第6回(01年)2秒 1位・川崎洋樹 2位・太田貴之
第7回(02年)3秒 1位・加藤直人 2位・大津 聖
第8回(03年)2秒 1位・松岡佑起 2位・北村 聡
第9回(04年)3秒 1位・松岡佑起 2位・佐藤悠基
第10回(05年)17秒 1位・佐藤悠基 2位・阿久津圭司

 一目瞭然である。これまでは最大で3秒差。今駅伝の1区はそのくらい差がつかない区間だったにもかかわらず、佐藤悠基は17秒差をつけたの。その突出ぶりがわかる。

佐藤悠基コメント
「前半はタメていたこともあって、中盤まで余裕がありました。3kmは自信を持っている距離なので、4kmから思い切って行きました。全国高校駅伝に比べたら、体が動いてくれた。トラックで良かったときと同じくらいです」

 5区の佐藤秀和はトップと42秒差の10位でタスキを受けた。見える範囲にいたチームが多かったことも幸いし、2kmを過ぎて早くも4位に進出。前日「突っ込んで入って、どこまで粘れるか」と話していたとおりの走りを見せた。4km付近で先頭争いから落ちてきた愛知を、4.6kmでは兵庫と長野を抜きトップに進出した。6区への中継では2位の長野に17秒差。
 佐藤秀和は区間2位に54秒の大差をつける快走。区間毎の距離が短い今駅伝では、信じられない大差である。過去の記録を紐解くと、今駅伝最大の区間1・2位差は、97年の2回大会7区で高岡寿成(京都・鐘紡)が区間2位につけた47秒が最大差。現行距離の区間編成となった00年以降では、前回の5区・上野裕一郎が2位につけた31秒が最大だったのである。

 2人とも高校生間では、一段階上の力があるところを見せた。


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