2005/5/7 国際グランプリ大阪
小林&杉森
男女の中距離コンビはラストに進境
グランプリ中距離日本人最高順位


 男子1500mの小林史和(NTN)の400 m毎の通過&スプリットタイムの比較は以下の通り。

04ナイトオブ 05静岡 05大阪GP 05中部実
400 m 57.1 57.1 58.8 58.8 59.3 59.3 56.4 56.4
800 m 1:55.5 58.4 1:58.8 1:00.0 2:00.2 1:00.9 1:57.6 1:01.2
1200m  2:53.7 58.2 2:59.7 1:00.9 2:59.7 59.5 3:01.5 1:03.9
1500m  3:37.42 43.7 3:43.88 44.2 3:41.89 42.2 3:48.08 46.6

1200m通過とフィニッシュ、残り300m
04ナイトオブ 04ホクレン3戦 04ホクレン4戦 04ホクレン5戦 04Euro1戦 04Euro2戦 05静岡 05大阪 05中部実
1200m  2:53.7 58.2 2:58. 2:55. 2:55. 2:57. 3:00. 2:59.7 1:00.9 2:59.7 59.5 3:01.5 1:03.9
1500m  3:37.42 43.7 3:40.91 42.9 3:39.41 44.4 3:38.90 43.9 3:41.49 44.5 3:42.22 42.2 3:43.88 44.2 3:41.89 42.2 3:48.08 46.6

 1200mの通過がどんなペースでも最後の300 mはそれほど変わらない、というのが小林の特徴だった。ところが、国際グランプリ大阪は若干スローだったこともあり、最後の300 mが少しだが速くなっている。その結果、J・ダビリ(小森コーポレーション)、T・キプタヌイ(ケニア)、R・ロノ(同)といったケニア選手たちを抑えて2位に入ることができた。男子の中距離種目でグランプリ2位というのは史上最高順位。
「あくまで世界選手権標準記録の突破を狙いましたから、レース的には残念です。でも、つねに突破できるような身体は作っています。グラウンドコンディションや展開もあって出せていませんが、最後、ぎりぎりまであきらめずにやっていきます」

 細かく見ると、大阪のフィニッシュタイムと残り300 mのタイムは、日本記録を出した昨年のヨーロッパ遠征第2戦に近い。前半の速い展開に慣れていくことで、ヨーロッパ最終戦で27年ぶりの日本記録更新に成功したのだ。
 国際グランプリ大阪翌日の中部実業団でも果敢に記録を狙った小林は、56秒4と自身の最速ラップで1周目を入った。さすがにオーバーペースだったようで、前日の疲れもあって失速したが、日本選手権で新記録を狙う布石はできつつある。

 女子800 mの杉森美保(京セラ)の200 m毎の通過&スプリットタイムの比較は以下の通り。

距離 03日中対抗室内横浜 04日本選手権 04アテネ五輪予選 04兵庫 05兵庫 05大阪
200 28.2 28.2 28.1 28.1 27.2 27.2 28.9 28.9 28.7 28.7 28.2 28.2
400 58.7 30.5 58.2 30.1 58.2 31.0 1:00.1 31.2 58.4 29.7 1:00.6 32.4
600 1:29.6 30.9 1:28.5 30.3 1:29.5 31.3 1:31.3 31.2 1:29.7 31.3 1:31.2 30.6
800 2:00.78 31.2 2:00.46 32.0 2:02.82 33.3 2:04.35 33.0 2:03.71 34.0 2:02.87 31.7

 200 mは日本記録ペースだったが、400 mまででペースが鈍った。しかし、そこで貯めることができたようで、最後の200 mで1分58秒台の記録を持つ外国人選手に競り勝つことができた。グランプリ女子中距離での日本人優勝は、男女を通じて初めての快挙だ。
「外人選手が前に出てくれないので自分で行きましたが、先頭に立って気持ちよく走ったら、60秒かかってしまいました。でも、(スピード練習が積めていない)今の私の身体には、兵庫の58秒よりも60秒の方が合っているようで、その余裕がラストの競り合いに勝つことにつながったのだと思います」

 しかし、外国人選手に競り勝ったといっても、最後の200 mは杉森自身が「減速した」と感じている昨年の日本記録のレースより、0.3秒速いだけ(風の比較でどうなのかわからない部分だが)。完全な状態に仕上がっていれば、ここももう少し伸びたはずだ。
「やはりまだ、スピード練習を始めて間もないから、だと思います。目標の1分台にはほど遠かったので、また、課題が明確になりました」
 課題とは本人も言っているようにスピード練習を積むことであり、冬に培った持久力と上手く融合させることだ。それに成功すれば58秒台の400 m通過でも、大阪と同じように余裕を持てるはずである。


春季サーキット&国際グランプリ大阪2005
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