2005/4/29織田幹雄記念国際 & 2005/5/3静岡国際
信岡が100 mで自己新、200 mで強さ
「80mまでは今までにない加速感がありました」


 信岡沙希重(ミズノ)が好調だ。織田記念の100 mは予選で11秒49(+1.4)の日本歴代7位。静岡国際の決勝はS・ファインズ(バハマ・自己記録22秒32)に0.01秒差で競り勝った。

 織田記念の予選3組では2位の瀬戸口渚(財宝グループ)が11秒73、3位の高橋萌木子(埼玉栄高)が11秒77(高2歴代4位タイ)と悪い記録ではなかったが、信岡が圧倒した。決勝はスタートが得意の高校時代の同級生、石田智子(長谷川体育施設)に序盤でリードされたが、後半で逆転してファインズに次いで2位。ファインズ11秒52(+0.1)、信岡11秒61。
「決勝はあの出遅れたなかで、加速し続けられました。去年までは出遅れると“無理だ”と感じて硬くなっていましたが、かなり改善できたと思います。今季は100 mに手応えを感じていますが、目標は100 mのスピードを200 mにつなげること。今日の時点で11秒4台が出せたことは、最低限の段階はクリアできました」

 静岡国際は予選2組で23秒58(+0.7)と、自己の日本記録(23秒33)に0.25秒と迫るタイム。最後の30mほどは流す余裕があり、決勝では日本新の期待がかかった。ところが、決勝は不運にも向かい風1.1mで、23秒69にとどまった。しかし、1秒以上も上の記録を持つファインズに0.01秒差で競り勝った点が、高く評価された。
 それでも、信岡は不満を口にした。
「織田の100 mは反省点も多く、自分のレースができたとは言えませんし、勝つこともできませんでした。今日は勝てましたが、彼女(ファインズ)のリズムで追ってしまいました。動きのタイミングはドタバタずれていましたね。マウントサック(4月17日:23秒22=+3.9m)では前の選手を上手く追って行けたのですが。結果的に良かった悪かったではなく、どんな状況でも自分でレースを作れないとダメだと思います」

 よかったのは予選の前半だという。
「80mまでは今までにない加速感がありました。そこが収穫です。今日の最優先課題が織田の100 mを、前半の突っ込みに生かすことでしたから。それを日本選手権の200 mで、上手くまとめられるかどうか、ですね」
 22秒台は「冬期を通じて意識してやってきた」という目標。23秒13のB標準ではなく、22秒97のA標準を狙っている。静岡の予選での余裕を見ると、それも可能ではないかと感じられた。国際グランプリ大阪では、100 mでもう一段階上の記録を出しておきたいところ。200 mで世界と戦うために、100 mで日本記録(11秒36)を更新しておきたい、というのが、信岡の昨年来の目標となっている。


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