2005/4/24 兵庫リレーカーニバル
杉森、“覚悟”の日本新ペースへの挑戦
600 mから失速も自身の大会記録を更新


 杉森美保(京セラ)は“覚悟”をして日本記録ペースに挑んだ。
 女子800 mに独走で優勝したが、記録は2分03秒71。200 m毎のタイムは表の通り。400 mを58秒台と日本記録ペースで通過したが、600 m以降が大きく減速した。

距離 03日中室内横浜 200 m毎 04日本選手権 200 m毎 アテネ五輪予選 200 m毎 04兵庫 200 m毎 05兵庫 200 m毎
200 00:28.2 00:28.2 00:28.1 00:28.1 00:27.2 00:27.2 00:28.9 00:28.9 00:28.7 00:28.7
400 00:58.7 00:30.5 00:58.2 00:30.1 00:58.2 00:31.0 01:00.1 00:31.2 00:58.4 00:29.7
600 01:29.6 00:30.9 01:28.5 00:30.3 01:29.5 00:31.3 01:31.3 00:31.2 01:29.7 00:31.3
800 02:00.78 00:31.2 02:00.46 00:32.0 02:02.82 00:33.3 02:04.35 00:33.0 02:03.71 00:34.0

 4月9日の金栗記念選抜中長距離熊本大会の1500mで日本新をマークし、持久力が付いていることをアピールした。だったら今回も後半、失速しないで済むかといえば、そう単純なものではない。800 mのスピードでの持久力と、1500mのスピードでの持久力は違うということである。
「同じ58秒台でも、日本記録を出したときとは違いました。600 m手前から、一気に落ち込んでしまいましたね。スピードに対応する力がありませんでした」
 しかし、それは杉森自身、百も承知のこと。この冬のトレーニングは、ほとんどを持久力を伸ばすことに費やした。3月末の陸連合宿からスピード練習を取り入れたとはいえ、例年と比べたら全然少ない(それでも、昨年、自身が出した大会記録は更新したのだから、悪い結果ではない)。

 では、スピード練習が不足しているからと、現状に見合ったスピードで入ることはしなかった。昨年の兵庫のように60秒前後で400 mを通過していれば、もしかしたら後半を61〜62秒でまとめられたかもしれない(フィニッシュは2分01〜02秒)。しかし、それでは今後につながらない、と考えた。
「今の状態で58秒で入って、どれだけ走れるかをチェックしたかった。日本選手権で結果を出すために、課題が見つかって良かったです。最近やっと、長めの距離の後に200 mとか300 mのスピード練習を入れるようになりました。これからは、スピード練習を先に入れていきます。せっかく持久力をつけたのですから、それを維持しながらスピードを取り入れていきたい」
 スピードと持久力、両者が杉森の想定する800 mのレベルで上手く融合したとき、400 mの58秒台は最も楽に通過できるようになる。そのとき、600 m通過は1分28秒台(そこの200 mは30秒)、800 mのフィニッシュは1分59秒台(最後の200 mは31秒)となるはずだ。


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