2005/7/2 日本インカレ
成迫48秒35の日本歴代4位
為末のサード記録、山崎のセカンド記録を上回る


 成迫健児(筑波大)の勢いが止まらない。豪雨の中で行われた6月の日本選手権でこそ為末大(APF)に敗れたが、昨年10月の国体、今年5月の国際グランプリ大阪に続き3回目の48秒台。5月の関東インカレは、その後の日本選手権のことを考えて400 mHと4×400 mRに絞ったが、今大会は400 mにも自己新記録の46秒16で優勝。疲れは過去の48秒台3レースの中で一番大きかった。しかし、400 mH後に行われた4×400 mRでも好走。アンカーで登場し、非公式45秒5のラップで山口有希(東海大)の追撃を許さずに優勝した。ちなみに、山口は45秒3で僅かに差を詰めた(0.2秒よりも0.15秒くらいか)。同じアンカーの高平慎士(順大)は45秒8だったという。

 48秒35は以下のパフォーマンス・リストのように日本歴代4位で、為末のサード記録を上回った。為末の自己ベストとセカンド記録はエドモントン世界選手権の決勝と準決勝である。そして、山崎一彦のセカンド記録を上回った。山崎のセカンド記録は決勝に進出したイエテボリ世界選手権の予選の記録。まったく、すごいことになってきた。

400mHパフォーマンス・リスト
1) 47.89 為末 大 (法 大)    2001. 8.10 3 エドモントン
  48.10 為末 大   2      2001. 8.08 2s3 エドモントン
2) 48.26 山崎一彦 (デサント)  1999. 5.08 3 長 居
3) 48.34 苅部 俊二 (富士通)  1997.10.05 1 国 立
4) 48.35 成迫 健児 (筑波大) 2005. 7.03 1 国 立
  48.37 山崎 一彦  2      1995. 8.07 1h エーテボリ
  48.38 為末 大   3      2001. 7.04 3 ローザンヌ
  48.46 為末 大   4      2004. 8.24 3s2 アテネ
  48.47 為末 大   5      2000. 9.09 3 横浜国際
  48.54 成迫健児   2      2004.10.25 1 熊 谷
  48.56 山崎 一彦  3      1996. 5.11 3 長居第二
  48.57 為末 大   6      2001. 7.02 1 ザグレブ
  48.58 山崎 一彦  4      1995. 8.31 1 博多の森
  48.59 為末 大   7      2004. 9.23 1 横浜国際
  48.60 苅部俊二   2      1998. 5.03 1r3 草 薙
  48.60 為末 大   8      2004. 7.23 3 サンドニ
  48.63 苅部 俊二  3      1997. 8.02 1h4 アテネ
  48.63 為末 大   9      2004. 7.03 3 ローザンヌ
  48.64 山崎 一彦  5      1995. 8.08 3s エーテボリ
5) 48.64 斎藤 嘉彦 (綜合ガード) 1998.10.04 1 熊 本
  48.65 山崎 一彦  6      1999.10.02 1 草 薙
6) 48.65 千葉 佳裕 (順 大)   2001. 5.20 1 横浜国際


 48秒台3レースと今年の静岡国際のタッチダウンタイムは下記の通り。

05日本IC 04国体 05静岡 05大阪GP
1台目 5.95 5.95 5.87 5.87 5.92 5.92 5.83 5.83
2台目 9.69 3.74 9.62 3.75 9.68 3.76 9.51 3.68
3台目 13.47 3.78 13.34 3.72 13.51 3.83 13.28 3.77
4台目 17.34 3.87 17.13 3.79 17.37 3.86 17.14 3.86
5台目 21.22 3.88 21.07 3.94 21.32 3.95 21.10 3.96
6台目 25.38 4.16 25.18 4.11 25.59 4.27 25.15 4.05
7台目 29.71 4.33 29.44 4.26 29.99 4.40 29.61 4.46
8台目 34.07 4.36 33.82 4.38 34.51 4.52 34.07 4.46
9台目 38.63 4.56 38.41 4.59 39.12 4.61 38.58 4.51
10台目 43.15 4.52 43.12 4.71 43.77 4.65 43.26 4.68
フィニッシュ 48.35 5.20 48.54 5.42 49.40 5.63 48.71 5.45
※4レースとも寺田計測(=手動)

 前半はさいたま国体よりも遅いが(このくらいのタイムは風向きの影響とも考えられる)、6〜9台目では同程度。10台目までと、10台目以降のフィニッシュまでで、一気に盛り返した。2位の小池崇之(順大)が終盤で詰めかけたかに見えたが、最後はまた成迫が引き離した。
 惜しかったのは、49秒23とA標準に0.03秒と迫った小池で、もしも破っていたら、この種目3人目の代表となる資格を得ていたのだ。
 インターバルはこの日、6台目も13歩で行くことに成功した。ハードル間のタイム自体はさいたま国体より僅かに遅いくらいだが、成迫本人は「そこが楽に行けたから、終盤で伸びた」と分析している。

 まさに、飛ぶ鳥を落とす勢い。しかし、先述した為末や山崎は、48秒3台を海外で出している。キャリアの短い成迫に海外の記録が少ないのは当然でもあるが、条件の悪い海外で出さないことには、同じ前半型の先輩2人に追いついたことにはならないだろう。
 前半はさいたま国体よりも遅いが(このくらいのタイムは風向きの影響とも考えられるが)、6〜9台目では同程度。10台目までと、10台目以降のフィニッシュまでで、一気に盛り返した。2位の小池崇之(順大)が終盤で詰めかけたかに見えたが、最後はまた成迫が引き離した。
 惜しかったのは、49秒23とA標準に0.03秒と迫った小池で、もしも破っていたら、この種目3人目の代表となる資格を得ていたのだ。
 インターバルはこの日、6台目も13歩で行くことに成功した。ハードル間のタイム自体はさいたま国体より僅かに遅いくらいだが、成迫本人は「そこが楽に行けたから、終盤で伸びた」と分析している。

 まさに、飛ぶ鳥を落とす勢い。しかし、先述した為末や山崎は、48秒3台を海外で出している。キャリアの短い成迫が出していないのは当然でもあるが、条件の悪い海外で出さないことには、同じ前半型の先輩2人に追いついたことにはならないだろう。


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