2005/6/4 日本選手権
全種目三行記事と懺悔・3日目

室伏が連勝最多記録「11」を達成
内藤と為末が世界選手権代表
内定
沢野が
まさかの記録なし
女子400 mHは
8レーンの櫻井が優勝

男子1500m
 予想通り小林史和(NTN)が優勝したが、記録は3分40秒15と3分40秒を切れなかった。
400 m 58秒2
800 m 1分57秒4
1100m 2分40秒8
1200m 2分55秒4
1500m 3分40秒15
(JAAF STATICS INFORMATIONS)

 仕上がりとしては、昨年の日本記録のとき以上だったという。中距離は何回かチャンスがないと記録を出すのは厳しいのか。
 しかし、2位の村上康則(順大)、3位の田子康宏(立命大)と自己記録を大幅に更新。2日目の800 mでも下平芳弘(早大)と沼田拓也(福島大)、坂直哉(名城大)もそうだったが、中距離は学生陣が力をつけてきた。

男子110 mH
 2人が同着優勝。内藤真人(ミズノ)の優勝は予想通りだが、谷川聡(チームミズノ)がここまで調子を上げてきたのには脱帽。ただし、谷川は新しく取り組んでいることが間に合わないと判断。「日本選手権は勝たなければいけない」と、従来の動きに短期間で戻して勝ってしまうのだからすごい。

女子400 mH
 豪雨の中でのレースとなった。福岡大2年の櫻井里佳が自身初の57秒台となる57秒99(学生歴代7位)で優勝。58秒04の吉田真希子(福島大TC)に競り勝ち、吉田の連勝をストップさせた。優勝予想した久保倉は58秒92で3位。櫻井は8レーン。100 mHの世界選手権などではたまに、端っこの選手が勝つこともあるが、400 mHで、選手層が決して厚いとはいえない日本国内のレースで8レーンの選手が勝つのは、極めて稀なこと。

男子400 mH
 これも雨の中でのレース。優勝予想した為末大(APF)が、国際グランプリ大阪で敗れた成迫健児(筑波大)に雪辱した。為末は「雨は嫌い」と言いながらも、悪条件のなかでも集中する方法を話してくれた。具体的には

女子5000m
 福士加代子(ワコール)が15分15秒27で、1万mに続いて2冠を達成して予想が的中。1万m3位の大南博美(トヨタ車体)が2位に入り好調ぶりをアピール。杉原加代(パナソニック)が15分27秒60まで記録を縮めてきた。チームとしては資生堂、京セラ、第一生命勢が上位に食い込んでいる。

男子三段跳
 優勝を予想した石川和義(三洋信販)が3回目に16m92(+0.4)と、昨年の16m98に続いて自身2度目の16m90台。レベルの高いB標準突破で(これも2回目)、世界選手権代表が当確。1回目の16m27(+1.5)で2位の杉林孝法(チームミズノ)は追い上げが期待された4回目に脚を痛めて担架で運ばれた。3位の出口大貴(日体大AC)が16m23(+1.5)の自己新。

男子棒高跳
 絶対本命の沢野大地(NISHI A.C.)が、最初の高さの5m55に3回失敗。5m40の安田覚(三重教員ク)が2度目の優勝を飾った。2位の森拓郎(日大)が5m30と高校時代以来の自己タイ。しかし、沢野1人が突出しているのが、日本の棒高跳の現状。沢野以外は誰も、B標準の5m60もクリアできていない。競技後の安田のコメントが、それを象徴していた。
「僕は2位狙いでした。大地が跳び始める高さまで粘るのが目標だったんです。(今後、標準記録を跳べば代表の可能性があるが)正直、ヘルシンキは大地に頑張ってもらいたい。日本の棒高跳の活性化を考えたら、大地が世界選手権で入賞した方がいい。自分たちがもっと頑張って、大地の最初の高さとかを一緒に跳んでいれば、大地が(技術の狂いを)修正する時間が持てたかもしれない」

女子走高跳
 ハニカット陽子(日体大AC)が1m86で優勝し、久々の笑顔。1m92のB標準突破への感触も得たようで、今後も積極的に試合出場を考えているという。昨年から最も勝率のいい青山幸(大阪陸協)を優勝予想しが、日本選手権はなかなか勝てない。

女子砲丸投
 日本記録保持者の森千夏(スズキ)と市岡寿実(国士舘ク)と、3強のうち2人が欠場。優勝を予想した豊永陽子(T−FARM)が2位に2m03の大差をつけたが16m69と、いまひとつの記録だった。

男子ハンマー投
 予想に違わず室伏広治(ミズノ)が連勝最多記録「11」を達成。2位の土井宏昭(ファイテン)も予想通りだが、3位は碓井崇(チームミズノ)ではなく好調の八鍬政之(秋田市陸協)。

男子砲丸投
 優勝を予想した畑瀬聡(群馬綜合ガードシステム)が17m93で優勝。前回優勝の村川洋平(スズキ自販茨城)が自己2番目の17m43で2位


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