2005/6/2 日本選手権
全種目三行記事と懺悔・1日目
1日目は決勝6種目中、5種目で連勝が継続
畑山7連勝
山本2連勝
池田2連勝
福士4連勝
岩水5連勝
成田高OGと内冨の記録も継続
代表内定は女子1万mでA標準Vの福士
男子円盤投
最初の決勝種目は男子円盤投。畑山茂雄(ゼンリン)が予想通りに「7」連勝(8回目の優勝)を達成したが、記録は6回目の54m25が最高で、目標の60mにも、日本歴代2位(58m08)にも、国立競技場日本人最高(55m34)にも届かなかった。
1回目がファウルで、出だしで失敗する悪いクセが出たのかと思ったが、サークルのふちに踵が当たったという理由で、ファウルをとられてしまったという。畑山がその理由でファウルをとられた経験はなく、修正するのに手間取ってしまった。
4投目以降はサークルが乾き始め、記録も伸ばし始めたが、1投目の出だしがその後の試技に大きく影響するタイプ。完全に立て直すことはできなかった。
日本選手間の連勝が4年も続いている畑山にとって、勝つことが目標ではなかった。成し遂げたかったのは記録のみ。
「今日の記録を“勝敗に換算”したら、負けたようなものです」
最後まで自身への厳しさを貫いていた。
女子三段跳
花岡麻帆(Office24)が出場せず、吉田文代(秋田ゼロックス)の2年ぶり2回目の優勝となった。しかし、4回目までは今村博子(PEEK)が13m07でリード。5回目に吉田が13m27で逆転。最後の6回目で13m28に記録を伸ばした。
大会1日目で唯一、連勝が続かなかった種目だが、花岡と吉田の成田高OG選手による連勝は「7」と伸びた。
女子やり投
今季の状況から、世代交替が演じられると予想したが、31歳の山本が1投目の52m85で「2」連勝(3回目)を飾った。ベテランの集中力に脱帽したい。中京大で同期の三宅貴子(日本記録保持者)から「ベテランの意地を見せてこい」と励まされていたという。
「一応、勝ったので意地は見せられたと思いますが、記録が悪いのでとても、2連勝したとは胸を張って言えません」
現在はボブスレーでの五輪出場を目指し、そちらの練習がメインになっている。52m台を優勝記録としてしまった若手が不甲斐なかった。
女子100 mH
池田久美子(スズキ)がスタートから前半で差を広げ、そのまま押し切って予想通り「2」連勝(3回目)を達成。2位の石野真美(長谷川体育施設)に0.23秒の差をつけた。予選が13秒38(−0.1)で決勝での好記録が期待されたが、気温が低くなったことと向かい風もあり、優勝記録は13秒47(−0.8)にとどまった(2位以下の記録も全体的に悪かった)。
「優勝できたことは嬉しいのですが、B標準(13秒11)は切りたかった」と、畑山や山本と同様に記録への不満を口にした。
女子1万m
アテネ五輪以来の1万mとなった福士加代子(ワコール)が予想通りに「4」連勝を達成。(未出場なので当たり前だが)今季はA標準(31分40秒00)を切っていなかったが、8500mでスパートしてきっちりA標準も破り、自動内定選手第1号となった。7月にはヨーロッパに遠征して自己記録更新を狙う。永山忠幸監督は「自己記録更新こそ、福士にとっての成長」だと強調した。
2位争いは「久しぶりに国立競技場で走りたかった」と言う弘山晴美(資生堂・1500mと1万mの国立競技場日本人最高記録保持者)が制した。31分34秒79はもちろん、36歳日本最高記録。
男子3000mSC
岩水嘉孝(トヨタ自動車)が順大4年時の2001年からの連勝を、予想通りに「5」と伸ばした。内冨恭則(中国電力)が2位。
内冨の日本選手権の成績を調べていたら、すごいことが判明した。内冨は95年以降1位(95年)・1位(96年)・2位(日本人1位=97年)・4位(日本人3位=98年)・2位(日本人1位=99年)・1位(2000年)、そして岩水の連勝が始まった01年以降は5年連続2位。つまり、外国選手と岩水以外には、98年に1回負けただけという、安定した強さを見せ続けている。
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