2005/4/9 金栗記念選抜中長距離熊本大会
女子1500mで4分09秒30の日本新
レース後の杉森コメント
「持久力を高めて、800 mの最後のスピード低下を抑えたい」
◆レースを振り返って
杉森 きつかったけど、今年は長い距離にも対応してきました。その部分を発揮して、中だるみしないようにと頑張りました。普段通りの走りができれば、日本新も狙えるのではないかと。日本新ペースで行って、仮に出せなくても課題が見つかると思っていました。いいシーズンインにしたい、という思いが強かったですね。最後の直線はタイマーを見ながら、10秒を切れるかな、どうかなと思って走っていました。ゴールしたときは、よかったなと思いました。暑さよりも風が気になりましたね。
◆金栗記念選抜中長距離熊本大会の位置づけ
杉森 去年、この大会が手術後の初レースで、立ち直る過程で大きな意味がありました。それで今年も、第一戦として選びました。
◆長距離にも対応
杉森 今までにないくらいの持久的なメニューを監督に作ってもらいました。駅伝への取り組みも、全日本実業団対抗女子駅伝、埼玉代表で全国都道府県対抗女子駅伝と、これまでよりも多く出場して、持久力もついてきたと思います。練習でも、長い距離では6000mとかのメニューも入ってきました。
◆800 mのための持久力強化
杉森 800 mで1分台を出したいという前提があって、そのための持久力強化です。(2分00秒46の日本新をマークした)昨年の日本選手権はラスト100 mで失速したので、ラスト100 mのスピード低下を抑えるための持久力ですね。いずれは長い種目に挑戦するかもしれませんが、今年は(800 mで)世界選手権のラウンドを進めるために、今年は持久的な部分をやっています。まだまだ課題はたくさんあります。1500mでも最低、B標準(4分08秒20)を切るくらいでないと。
◆京セラがマラソンで活躍し始めたことについて
杉森 長距離のメンバーが頑張っていますから、私も中距離界を変えるような選手になりたいですね。マラソンや長距離は(もともと)注目されています。中距離はそれほど目立っていませんが、1分台を出して中距離を盛り上げていきたい。
◆15年ぶりに中距離2種目の日本記録保持者になったことについて
杉森 (それを達成することが目的ではなく)通過点かな、と思います。今回の日本新は嬉しいですけど、最低でもB標準を出すのが目標ですし、まだまだ課題はいっぱいある。喜んでいるわけにはいきません。
◆アテネ五輪で得たもの
杉森 まだまだ自分も、日本の800 mも経験が少ないと実感しました。たくさんの方に支えてもらって、夢の舞台に立てましたが、世界の力を肌で感じることで、するべきことが見えてきた。外国選手は最後の200 mを余裕を持って切り換えています。私にないのはそこかな、と。スピードとスタミナの、両方を兼ね備えているからできるのでしょう。外人と比べたら私はスピードもありませんが、今から鍛えるなら持久的な方だと判断しました。持久力を高めて、ラスト100 m・200 mのスピード低下を抑えようと。(アテネで)ボロボロに負けて立ち直れなくなったのではなく、自分でももしかしたらやれるのではないかと前向きになれた。得たものは大きかったです。
◆今後の1500mへの取り組み
杉森 1000mを2分45秒で通過しても、その後もスピードを落とさずに押し通して、最低でもB標準を切りたい。最初から全てのラップを66秒で走れば、1000mが2分45秒で通過でき、そのまま押し切れれば4分6秒が出ます。今日の1周目(64秒4)は、もうちょっと遅くてもよかったかもしれません(杉森の1500m日本新のペース)。今日の感覚では、スタミナが付いてきていると思います。以前は、中だるみがあっても、そのままフィニッシュしていた感じですが、それがなくなっていました。(種目を問わず)どんどん世界で戦いたい気持ちが強いので、チャンスがあれば、世界を意識していきます。世界選手権も800 mが先なら、1500mに出るのもいいと思っています。
◆スピード練習は
杉森 3月末の陸連合宿で初めてスピード練習を入れました。今後、スピード練習を多くしていけば、800 mの1分台も見えてくると思います。
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