2005/12/25 全国高校駅伝
仙台育英が男子2校目の連覇達成
7年間で優勝
回、渡辺監督はトータル回優勝

レース後の渡辺高夫監督コメント
■レース全体の感想、総括など
「ハラハラドキドキでも、シナリオの範囲内」
「駅伝らしい、ハラハラドキドキの展開でした。過去2年、ぶっちぎりでしたから、久しぶりに駅伝の厳しさ、勝つ厳しさをたっぷり味わいました。4区までに先頭争いに持ち込んで、豊川工・佐久長聖・報徳が前にいなければ、5・6区で勝負できると思っていましたから、一応シナリオの範囲内ですが」
「今年はドリームチームを引き継いだ、普通の高校生のチーム。谷間のチームですけど、そういった中でも、普通の高校生でも勝てて良かった。ただ、去年が2時間1分台で今年が2時間5分台。普通の高校生に落とすとは言っていましたが、2時間5分台ではダメですね。風もあったし、ここ数日の中で気温も急に上がり、条件は良くありませんでした。でも、インターハイや国体のレベルを見たら、優勝タイムは2時間4分台では行ってほしかった。しかし、ロスをしたのは2・3区で、その2区間だけで1分遅かった。あとの区間は目標をクリアしています」
■レース展開、各選手の評価
「6区の釜石の1km地点の走りで優勝を確信」
「梁瀬は股関節がズレてしまうクセがあって、それで左ヒザに痛みが出たり、抜けちゃう症状が出たりする。2年生の頃からです。ピシッとピークが合ったときは快走するのですが、普通なら外すところでしょう。そういう状態でも、チーム全体のことを考えて起用しました。ただ、1区か3区以外に起用するくらいなら、外すつもりでした。それがウチのやり方です。梁瀬で1区の貯金をはたいてもいいと思っていましたが、世羅が前にいたことが梁瀬にとってはよかった」
「2区の1km地点で見て、川上の動きが悪く、やられるな、と。ここが誤算でした。無理をせず、計算をして梁瀬まで持ってきてくれればいい、と思いましたね。800 mランナーの弱い部分が出てしまった。2区からハラハラして、3区が終わるまでドキドキでした。4区にタスキが渡ってから、育英らしい駅伝になって一安心しました。(4区の)佐藤は仕上がりがよく、仮に優勝争いをするチームに並ばれても、前に行かすことはないと信じて送り出せた。そうすればウチは、5・6区では毎年、本当の駅伝の勝負ができています。5区の棟方は1年生で見えないところもありましたが、しっかりと力を発揮してくれた。6区の釜石が1km行ったとき、これなら行けると確信しました。彼は前回5区区間賞とキャリアもあります。3区が悪い分、6区で勝負と思っていました。その通り、釜石がやってくれました。7区は大通りに出て、かなりの向かい風。今年は記録にこだわっていなかったので、勝つことだけを考えて走ってくれました」
■連勝について
「連勝は意識していないが、結果的に5連勝くらいは行くのでは」
「やる前から今回勝てば、5回か6回くらい行くのではないかと思っていました。久しぶりに駅伝の厳しさを与えられ、その試練を乗り切りました。日本人エースがメロメロで、それを他の選手がカバーした。4区で追いついて、5・6区で逃げ切る。仙台育英でないとできないレース。この強さは驚きです。僕が仙台育英に来て、7回やって5回勝ちました。積み上げてきたものがあります。今年のチームも、去年の先輩たちの生活など、肌で感じてきたものがある。2〜3年前から選手が大人になってきていますね。今のような気持ちで勉強も、人間性も追求していけば、崩れることはありません。相手が強いチームになっても、一皮剥けた仙台育英は簡単には倒せないと思います。決して連勝を意識しているのではありませんが、今日で終わって、また一から努力をし続ければ、(結果的に)4連勝、5連勝と続くでしょう。仙台育英が本当に強いときに、仙台を倒すチームが現れて欲しいとも思います。本当に今回も、3連勝は意識していなかったんです」


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