2005/12/18 全日本実業団対抗女子駅伝
際だった三井住友海上の強さ
1・2位タイム差は1分51秒と過去11年間で最大

 今回、優勝した三井住友海上と2位の天満屋のタイム差は1分51秒。近年にない大差だと感じたので、距離が42.195kmとなった1992年以降全レースの、1・2位のタイム差を調べてみたのが下の表である。

1位チーム 1位記録 2位チーム 2位記録 1・2位タイム差
1992 ワコール 2:15:44 ダイイチ 2:18:08 02:24
1993 リクルート 2:15:42 ワコール 2:16:28 00:46
1994 リクルート 2:13:59 富士銀行 2:16:30 02:31
1995 ワコール 2:14:32 リクルート 2:15:05 00:33
1996 沖電気宮崎 2:15:14 リクルート 2:15:41 00:27
1997 沖電気宮崎 2:16:24 東海銀行 2:16:39 00:15
1998 東海銀行 2:15:03 天満屋 2:16:01 00:58
1999 沖電気宮崎 2:15:42 東海銀行 2:16:08 00:26
2000 三井海上 2:16:13 スズキ 2:17:02 00:49
2001 三井住友海上 2:15:45 東海銀行 2:16:23 00:38
2002 第一生命 2:14:00 三井住友海上 2:14:31 00:31
2003 三井住友海上 2:13:38 京セラ 2:14:06 00:28
2004 三井住友海上 2:13:17 京セラ 2:13:30 00:13
2005 三井住友海上 2:13:55 天満屋 2:15:46 01:51

 14レースで過去3番目に大きいタイム差だった。2位に2分以上の差をつけた優勝チームは、92年のワコールと94年のリクルート。ワコールは藤田信之監督(現シスメックス監督)、リクルートは小出義雄監督(現SAC監督)と、後に五輪マラソン金メダリストを育てる2人が率いた2チームだけである。

 ワコールは92年に1万mで日本記録をマークし、96年のアトランタ五輪マラソン代表となった真木和がエースで、藤原恵、福山つぐみ、石橋美穂、松本初美と、トラックの日本記録更新者や、全国タイトル獲得者が揃っていた。
 リクルートには96年に1万mで日本記録をマークし、97年には世界選手権マラソン金メダリストとなる鈴木博美がエースで、五十嵐美紀、志水見千子、吉田直美といったトラックの五輪代表や日本記録更新者が、揃っていた。

 当時、この2チームの強さは傑出していたと言っていい。その後は、両チームの力が下がったこともあり、上位チーム間の差が小さくなる傾向になった。優勝タイムも96年以降は2時間15分を切れなくなった。
 三井住友海上の最初の2連勝の頃はまだ、レベル的にはそれまでの流れの延長だったが、02年の第一生命の優勝以降は、ワコール・リクルート全盛時代のレベルを超えている。

 上位チーム間の差が小さくなっている流れの中で、今回の三井住友海上が2位につけた差は驚異的と言っていい。三井住友海上が傑出したチームになろうとしているのか、対抗すると目された資生堂と京セラが、たまたま失敗しただけなのか。上位チームのタイム差は、来年以降の注目点となった。


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