2005/12/29 箱根駅伝区間エントリー
注目の東海大は3区・佐藤、5区・伊達、9区・中井
駒大は8・9区に期待の2年生の堺&平野
関東学連に区間エントリー
■東海大
東海大が往路・復路とも万全の布陣を敷いてきた。
3区に佐藤悠基、5区に伊達秀晃と日本インカレ1万m1・2位選手を起用。1区は出雲でも1区4位と好走した杉本将友。4区が上尾で1時間03分01秒と好走した市村一訓。2区に補欠の丸山敬三か一井裕介が入ると思われる。
丸山が「エースでない自分がエース区間で他校のエースを潰しあえれば、他の区間で優位に立てる」と話していた。秋以降、調子を落としている丸山が回復していれば2区だが、復調がいまひとつであれば、上尾ハーフマラソンで3位と好調ぶりを示した一井となる。
いずれにせよ、往路優勝が十分に狙える強力なメンバーを揃えてきた。
そして復路だが、ポイントは中井祥太を9区に起用してきたこと。ちまたの噂では10区と言われていた。9区というのは、上尾で113位だった中井の調子が、ここに来て上がってきていることを意味しているのではないか。
6区は2年連続の石田和也で、前回以上の走りが見込める。7区の宮本和哉が上尾で良くなかったが、その後がどうなのか。
それにしても、一井か丸山のどちらかが復路に回るとなると、今回の復路は東海大チーム史上最強となるのは間違いない。それも、“往路の東海大”は変わらないまま。初優勝に向け、穴のない布陣となった。
■駒大
4連勝中の王者・駒大は、やはり層が厚い。
1区に府中多摩川ハーフマラソン2位の堺ではなく、同大会4位の風見を起用してきた。堺の全日本1区での失敗(区間12位)を考慮したのか、2人の適性を見ての判断か。
2区に佐藤慎吾、3区に井手と前回と同じ2人。4区がキャプテンの齊藤だが、28分36秒54のスピードを生かすことと、故障明けという状況を考えると、距離の短くなったこの区間が妥当なところ。5区は前回区間3位で、全日本ではスピードの要求される2区で区間3位の村上。
4年生で固める布陣となった。4区への起用も予想された全日本3区区間賞の高井和治は、14人のメンバーに入っていない。
6区には補欠の藤山が入る可能性もあるが、藤井が下りのスペシャリストに育っている可能性もある。7区の安西は府中でチーム内6位。交代要員にはもったいない存在だ。8区に堺、9区に平野の2年生コンビ。平野の9区は意外な感じもするが、ちまたでは噂されていた。10区は故障で間に合わないといわれていた本宮。ここに、2年前の同区間区間賞の糟谷が入る可能性もある。
やはり、第一のポイントは4区・齊藤と10区・本宮の、故障からの回復度合いだろう。この2人が十分に回復していれば、層の厚さは随一のチームである。
それに反して、どの区間にも突出できる選手はいない。全員が区間3位以内でつねに射程圏内で走り、相手にスキあればトップに出る。そういったレース展開が期待できる。トップに立つには、8・9区の2年生コンビのどちらかが、ブレイクする必要があるかもしれない。これが2つめのポイントか。
しかし、4年生の顔触れはまさに多士済々。誰かが、最後の箱根ですごい快走を見せそうな雰囲気がある。区間賞やインカレの快走こそないものの、村上がこの1年で大きく力を蓄えた気がする。個人的には5区に注目している。
■日大
1区土橋、2区サイモンでリードをしたい日大。
5区にエースの下重がエントリーし、1・3年と5区を務め、今季は関東インカレ・ハーフマラソンを制した吉岡が補欠に回っている。故障でもない限り、下重が交替することはないだろう。4区・8区・10区への交替も予想されるが、吉岡自体の調子が上がっていないことも考えられる。吉岡の本当の状態が、ポイントとなりそうだ。
全日本7区区間賞の阿久津をはじめ(今回も7区)、3区福井、補欠の武者と秀島。全日本で区間上位で走った選手で固められるところに加え、6区末吉は前回区間4位。全日本に出ていない9区、10区が1万mでは29分20〜30秒の選手。
東海大、駒大と並んで穴のない布陣である。
■日体大
1区鷲見、2区保科、5区北村と、予定通りのメンバーを起用できた。出雲、全日本と欠場した鷲見が、12月上旬の日体大記録会1万mで28分台と復調したのが大きい。鷲見が区間賞争いをし、保科、北村がが昨年のトラックで示した力を発揮すれば、往路優勝の可能性も十分。
3区は地元出身の1年生・石谷に交替する可能性がある。全日本は2区で失敗したが、3区ならばプレッシャーのかかり方が軽くなる。
補欠に28分ランナーの熊本を残しているのも強み。往路の展開次第だが、恐らく10区に起用されるだろう。前回の山田(現コニカミノルタ)同様に、アンカーで順位を上げることもできるし、優勝争いに競り勝てる選手を残しているのが特徴だ。
■順大
2区に松岡、5区に今井と、故障で戦列を離れていた両エースが復帰する。1区にスーパールーキーの佐藤秀和、4区にスピードランナーの村上。両エースの復調具合次第では、優勝争いに絡んでくるだろう。なにしろ長谷川、松瀬、井野、小野と、補欠としては錚々たるメンバーが控えている。
■中大
1区に前回8区区間賞の奥田、2区に全日本8区区間2位の池永、3区に上野と序盤にエース級を投入してきた。しかも、5区の中村は前回区間2位。前回まで野村というスペシャリストがいたため出番はなかったが、6区の阿江も下りへの適性は大きい。
復路に名のある選手が少ないが、箱根本番で走るのが中大。そして10区に復活なった加藤。ひょっとすると、ひょっとするかもしれない。
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