2005/12/4 福岡国際マラソン
3位・藤田敦史
2時間09分48秒の客観的な評価と
“勝負”への藤田自身のこだわり
@自己ベストと今回のタイム差
藤田敦史(富士通)は2時間09分48秒というタイムについて、以下のように自己分析をした。
「2時間10分を切ったのは2回目です。しかし、今回のような悪い条件になったときは、(数字自体の良し悪しより)トップ選手とのタイム差が目安になります。その差が(1分19秒と)あまりにも開いてしまった。自分の中ではあまり評価できません」
選手はどうしても、自身に対しては厳しい評価をしてしまうが、客観的に見たら、少しは違った評価になることもある。
そこで、上位選手の自己ベストと、今回のタイムとの差を調べてみた。
順位 選手 記録 ベスト記録 タイム差 1 バラノフスキー 2:08:29 2:11:57 + 03:28 2 レイ 2:09:41 2:07:27 − 02:14 3 藤田敦史 2:09:48 2:06:51 − 02:57 4 ビルハヌ 2:11:48 初マラソン 5 エルムアジズ 2:12:12 2:06:46 − 05:26 6 国近友昭 2:13:49 2:07:52 − 05:57 7 E・ワイナイナ 2:15:18 2:08:43 − 06:35 8 ハウ・ロブ 2:15:27 2:14:33 − 00:54 9 J・ワイナイナ 2:17:08 2:11:00 − 06:08 10 伊藤健太郎 2:18:43 2:13:44 − 04:59 14 野田道胤 2:20:30 2:09:58 − 10:32
優勝したバラノフスキー(ウクライナ)は自己記録を大幅に更新した。2位のレイ(スペイン)も自己記録との差を2分14秒にとどめ、藤田の2分57秒を上回った。上位2選手に関して言えば、自身の力の発揮度が高く、藤田の分析通りだったといえる。
だが、初マラソンのビルハヌ(エチオピア)と、マラソンに転向して間もないロブ(英国)を除けば、ほとんどの選手が5分以上自己記録を下回った。好条件下では力の劣る選手も、上位選手と小さいタイム差で走れる。逆に条件が悪くなると、両者の差は大きくなる。
現在、藤田を指導する大八木弘明駒大監督は「2時間7分台の走りはできていたと思う」と、結果を分析した。優勝したバラノフスキーは耐寒能力が異常に高いという特殊条件があった。それを考えると、藤田自身は“あまり評価できない”記録だったが、客観的に見たら“もう少し評価できる”記録だった。
Aにつづく、はず
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