2005/5/13 関東インカレ2日目
上野&松岡、2年生コンビが好調
A松岡がロングスパートで1万m日本人1位
「絶対に日本人トップを取るという気構えで臨みました」
サイモン(日大2年)が27分31秒29の学生新記録をマークした男子1万mは、日本人選手にも28分台が続出。風がちょっと強かったが、低温が長距離種目には幸いした。
サイモンとモグス(山梨学院大1年)に食い下がったのは、保科光作(日体大3年)と松岡佑起(順大2年)、そして箱根駅伝1区区間賞の丸山敬三(東海大4年)の3人。伊達秀晃(東海大2年)は2000mで20〜30m後方、佐藤秀和(順大1年)はさらに後ろを走っていた。北村聡(日体大2年)と佐藤悠基(東海大1年)はこの種目にエントリーしなかった。
2000mを過ぎじわじわと、ケニア2選手と日本3選手の差が開き始めた。3000mで約5秒、4000mで約15秒。4000mを過ぎるとモグスもサイモンから遅れ始めた。5000m通過はサイモンが13分39秒、モグスが13分47秒、松岡と丸山が14分05秒9(保科は2400m手前で2人から遅れた)。5200mで女子やり投の表彰が始まり、表彰後は同種目のコメント取材を優先。レースを再度目にしたのは、残り1周からだったが、後半の展開は松岡のコメントからわかった。
「5000mを14分05秒で通過したとき、28分30秒は切れるかな、と思いました。(ハイペースでも)弱気にならなかったのがよかった。可能性を信じて走れたのがよかったと思います。レース前、澤木(啓祐)先生からも“弱気になるな”と言われて、ラストまでしっかりまとめようと。苦しかったのは丸山さんが出た7000mまで。後ろについて少し楽になり、ラスト3周から勝負をしていこう、という意識を持ちました。200 mほど余裕を持って上げて、残り1000mでスパート。そこからはタイムを気にするというより、とにかく全力で走りました」
ライバルとして誰かを意識したレースではなかった。
「特に誰とは考えず、まず自分の走りをして、レース展開の中で絶対に日本人トップを取るという気構えで臨みました。それが、総合優勝につながると。1点でも多く取るには、順位を意識するよりも自分の走りをすることだと思いました」
箱根駅伝とインカレを同等に重視する(と言っていいと思うが)順大の選手らしいコメントだ。
しかし、高校2年時に5000mで13分台をマークして注目された松岡だが、これまで“日本人1位”はトラックのビッグレースではなかったという(全国都道府県対抗男子駅伝では区間賞)。そのことを指摘されると、さすがに「上野や北村、伊達たちがいて勝てなかった」と、思い出しながら話した。「今日の1万mには北村と上野が出ていません。5000mで勝負です」と、ライバル意識も覗かせた。
質問に答える形だったので、どれほど強いライバル意識かはなんとも言えない。ただ、5000mの対決が松岡、上野を軸に錚々たるメンバーで争われることになるのは事実である。
追記 松岡は高岡寿成(カネボウ)の、京都・洛南高の15学年後輩に当たる。そして、関東インカレで日本選手権の参加標準記録Aを破った。
「高岡さんが競技をされている間に、一緒に走りたいと思っていました。勝負ができるかどうかは別にして、一緒に走ってみたいんです」
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