2004/11/21 東京国際女子マラソン
日本人トップは嶋原
レース後の会見
「ラスト5kmは追いつけるかな、と思って走っていましたが、実際に追いついてビックリしました」


Q.暑さもあったなか、どんなペースで走ろうと考えていましたか。
嶋原 ペースメーカーは10kmまで、16分40〜50秒のペースと聞いていました。5kmまではそれでもいいのですが、5kmから10kmが、それでは速すぎると思いました。監督からも、速すぎると感じたら、付いて行かなくてもいいと言われていました。それを頭に入れて走りました。
Q.(世界選手権代表が内定する)2時間26分を切れると思って走っていましたか?
嶋原 走っているときは、何分とか、タイムは意識していませんでした。最後の一瞬に気づきました。今も、走り終わったばかりで、特にタイムについての感想はありません。
Q.一昨日の会見で、ウエイトに取り組んだことを話されていましたが、それが今日、生きたと思いますか。
嶋原 まだ、やり始めて1年くらいですから、これが成果だと(明確に)感じてはいませんが、そういうのは積み重ねだと思うので、やっていくことでプラスに、底力となっていくのだと思います。
Q.川越監督は、この1年間でどこが伸びたと思われますか。それが、どんなトレーニングの成果だと。
川越 実質、初マラソンだった2時間28分の勝田では、ほとんどマラソン練習をやっていなくて、その頃はまだ、マラソンを本格的に始めるかどうか、という時期でした。昨年のこの大会も、本人の駅伝への思い入れもあり、スピード中心の練習をやっていました(2時間31分10秒で3位)。今年は、そこそこ走り込みもやっていますが、まだ、理想とするマラソン練習の半分くらいの距離です。実際、30km走を5本やったくらいで、よく走ったと思います。これからもっと、積み重ねていきたいと思います。
Q.スタジアムに入る前、前の選手が近づいてきていたとき、どんなことを考えていましたか。
嶋原 ラスト5kmを切って、どんどん前が近づいてきて、余裕もあったのは確かですが、そのスピードのなかで近づいていたので、追いつけるかな、と思っていました。実際、追いつけたことにはビックリしています。
Q.優勝したジェノベーゼ選手と一緒の集団にいた勢いが大きかったですか。
嶋原 大きかったですね。中盤、一緒に走っていて、(32km付近で)離されたときも彼女のペースが大きく上がっていて、私もそれなりに上げられていたので、マイナスの気持ちはありませんでした。自分のなかで焦りはなかったですね。
Q.千葉選手に追いつけると。
嶋原 まったく考えていませんでした。スタジアムの少し前で、あれぇ、と思って。でも、抜いたらまた、付いてこられるだろうし、抜き返されるかもしれないと思いました。でも、ここまで来たら、抜き返されたとしてもいいからと、行ってしまいました。
Q.監督は、まだまだこれからと仰っていますが、ご自身ではこれから先、どこを目標にして、どんな選手になりたいと考えていますか。
嶋原 走りだけでなく、人間的にも大きくなりたい。すべてにおいて、一回り大きくなりたいです。
Q.去年はがむしゃらでコースのことを覚えていないと話していましたが、今年はどうですか。
嶋原 走りながら、去年、ここもあったなと、懐かしさを感じながら走りました。

資生堂・川越学監督コメント
「私の中では理想の選手です」

「2時間25分くらいは予想していましたが、意外と暑かったですね。5km毎を17分くらいで行って、坂があるので+30秒から1分と思っていましたが。調子は最高に良かったのですが、経験がそれほどないので、不安な部分もありました。前が勝手に落ちてきてくれたレースでしたね。まあ、イーヴンで押して行ければ、誰かが落ちてくるものですが。去年と比べ、スピードも持久力も付いて、ハイペースにも対応できました。
(世界選手権は)彼女も内心、考えていたと思います。私も、行けたらいいと思っていました。でも、名古屋に出ることはないでしょう。2人で話していることは、コツコツと記録を出していこう、ということです。背伸びをしないで、やれる範囲で努力をしていこうと。
 元々中距離選手で、特にマラソンへの適性があったわけではありませんが、駅伝の選手になりにくいチーム事情もあって、マラソンを始めさせました。本人も、嫌々という感じではなく、チャレンジしようという気になって、マラソンに取り組むことで幅広い勉強になったと思います。走りというより、体つきが変わりました。体脂肪が落ちて、筋力がつきましたね。
 もう少しスピードがつけば、2時間20分に近づいていけるでしょう。ハーフで1時間10分を切れないとダメでしょうし、もう少し時間がかかるかもしれません。(27歳だが)ちょうどいいんじゃないでしょうか。中距離出身でマラソンまで伸ばしていける、私の中では理想の選手です」


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