2004/4/6 陸連記者懇談会
気になる五輪派遣枠
陸連がB標準突破者の扱いに言及

 五輪B標準突破者の扱いに関して、陸連が初めて言及した。
 昨年7月に陸連理事会で承認されたアテネ五輪選考基準では、A標準突破者で日本選手権優勝者を自動的に内定することは決まっていた。だが、A標準突破者で日本選手権2位以下の選手、B標準突破者で日本選手権優勝者の扱いは、まったく触れられていなかった。JOCとの折衝で決まる陸上競技の派遣選手枠が定まらないことには、安易に決められない部分だったからだ。
 しかし、B標準の設定が高く世界的に戦えるレベルにある種目や、明らかにその選手が、その種目の将来を担うケース(2番目の選手と力の差が大きいケース)などは派遣するべきとの意見が出ていた。今回、陸連も初めてB標準突破選手について言及した。
「B標準でも次につながるカテゴリーに入る選手は、Bでも選手団に組み込んで欲しいとJOCにお願いした」
 と、澤木啓祐強化委員長。もっとも、まずはスタッフの充実の希望を出しているという。
「オリンピックで戦うということになると、大勢はいらない。それよりもスタッフを充実させたい」
 つまり、数少ない有望選手を確実にサポートしようという狙いだ。しかし、「ただ」と強化委員長は補足した。
「社会的な状況をかんがみて、努力した選手を多く連れて行くのは我々の希望。それをどう勘案するか」
 これは、決して景気の良くない現在の社会状況の中で、陸上界を支える数少ない実業団チーム、スポンサーへの配慮だろう。
 派遣枠は4月中には確定するという。


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