2004/5/9 国際グランプリ大阪
女子4×100 mRで43秒77の日本新!
昨年の世界13位の記録
女子4×100 mRが新たな歴史のトビラを開けた。スムーズなバトンパスで、優勝した国際選抜から6〜8m差でアンカーの小島初佳(ピップフジモト)がフィニッシュ。優勝タイムが43秒22と速報された。この日と同じ石田・鈴木・坂上・小島のメンバーで昨年7月の南部記念でマークした44秒10の日本記録は、間違いなく更新していた。
発表された記録は43秒77と、これまで何度もトライしてきた44秒の壁を大きく破っていた。ガッツポーズをする坂上。バックストレートで抱き合う石田と鈴木。オーロラビジョンに映し出される坂上の姿を見て、記録が出たことを知った小島。
岩本敏恵の引退後、日本の女子短距離界を引っ張ってきた小島と坂上も今季で30歳。44秒10は昨年の記録だが、44秒12、44秒11は岩本がいた99年にすでに出していた。坂上が言うように“歴史”的なことを達成した達成感はあるが、坂上・小島に限らず、4人全員が下記のコメントのように“やっと”出せたとの思いを持っている。
1走・石田智子
「日本新にはこのメンバーで何度も何度も、この2年間、チャレンジし続けてきました。この記録でも、まだ満足できませんが、この冬はこの日のために頑張ってきましたので、少しホッとしています」
2走・鈴木亜弓
「やっと43秒台が出たな、というのが正直な気持ち。本来なら、昨年のうちに出ていないといけない記録。アテネにつながる第一歩が踏み出せました。スタートを切れたのはよかったと思います」
3走・坂上香織
「日本代表としてずっと43秒台を目指してきました。それを達成でき、歴史を作ることができて良かった。(4月の)アメリカ遠征、(個人種目だが)織田記念と不甲斐ない走りで迷惑をかけました。私がしっかり走れば記録は出ると思っていました。このチャンスを与えてくれた陸連に感謝したいと思います」
4走・小島初佳
「43秒台が出てホッとしていますが、記録が出て良かったという気持ちがある反面、この後もみんな、個人レースがあるので引き締めないといけないといけない」
坂上は織田幹雄記念国際の100 mでスタート直後につまずき、11秒66で6位(日本選手5番目)。しかし、水戸国際では、織田で日本人1位だった小島を11秒51で抑えた。この2人が頑張っている間に、これも“やっと”、後輩たちが育ってきた。
石田は織田で11秒59と自己記録に0.04秒届かなかったが、安定感は自己記録を出した2年前よりもあり、記録更新も遠くなさそう。鈴木は織田で11秒61と自己記録を0.01秒更新。静岡国際は体調不良を押して出場し、予選後に病院で点滴を受ける状態だったにもかかわらず、つねに自己記録に近いレベルを維持している。きっかけさえつかめば、大きく記録を伸ばしそうだ。
2002年以来、今回のメンバーが固定されてきたが、裏返せば“他に選手がいなかった”ということ。その問題が解消されつつある。昨年から瀬戸口渚(財宝グループ)がリレーメンバーに迫る走りを見せ、今年の静岡国際では、信岡沙希重(ミズノ)が23秒52の日本歴代2位。今回の4人もうかうかしていられない状況になってきた。
リレーの五輪出場資格は、昨年と今年の2大会平均記録で世界の16位以内(大会は国際陸連、アジア陸連など地域陸連主催大会に限られる)だが、今回の43秒77は昨年の世界リスト13位。昨年の20位が43秒99と、各国がひしめく記録帯であるし、五輪イヤーということで各国とも記録を上げてくるかもしれない。だが、もう1回この日と同じ43秒7台が出せれば…。
春季サーキット2004
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