2004/5/8 国際グランプリ大阪
末續が4×100 mR後に100 m棄権を決断
末續、高野コーチの共同会見


「50mを過ぎて脚がつりそうになりました。試合としてのスピードを出したのは最初です。正直、身体がビックリしたのでしょう」

末續 場所は左のハムストリング。練習でもなる場所で、気にしてはいません。ここで無理をしてもいけないと判断しました。走るとまた、リミッターを切ってしまいそうですから。
Q.痛みがあったのですか?
末續 そういうわけではありません。本当に、お騒がせしてすいません。
Q.どんな違和感でしたか?
末續 調子がいいのはわかっていたのですが、50mを過ぎて脚がつりそうになりました。そこから緩めました。(1カ月前に日大・東海大戦でリレーに出たが)今回が試合としてのスピードを出したのは最初です。正直、身体がビックリしたのでしょう、という感じでした。
Q.実際の走り具合は?
末續 今、思い返せば、100 mに出たかったな、と。そのくらい、いい走りではなかったかと思います。かなりいい感触で、トップ(スピード)に入ったら、どうなるんだろうと。
Q.(不詳)
末續 どうでしょう。電動計時を止めないと、なんともいえません。とにかく、勝負がしたかった。
Q.リレー後に、高野コーチと相談してやめたのですか。
末續 この感じだったらやめよう、(自分から)先生に伝えました。
Q.日本選手権までの(レース)プランの変更は?
末續 ないです。次は日本選手権と決めています。そう、ひどいものでもないし。
Q.日本選手権では種目を絞りますか。
末續 練習の関係もあるので、それはまだわかりません。

「私が思った以上に彼の本能に火がついてしまった」(高野コーチ)

Q.高野コーチはどう思われましたか。
高野 4×100 mRが先に来るのがいいのか、悪いのか。私としては、自分のトレーニングの組み立てが間違っているとは思わないが、完璧ではなかったと反省しています。(オリンピック代表に)内定していますし、日本選手権までのトレーニングの流れを立て、(練習を)落としたのは最近のこと。それまでハードな内容でまだ、研きをかけていませんでした。日大・東海大はリレーの通し練習をしただけで、本気は出していません。色んな選手がオリンピック・モードに入っていて、私が思った以上に彼の本能に火がついてしまった。神経系は10秒1、10秒2のリハーサルをさせていないので、バトンをもらって最高速に入ったとき、脚が勝手に動き、神経が追いつかずに痙攣したのでしょう。ここで目が覚めればと思っていましたが、急激に覚めすぎてしまった。リレーで記録を狙うということもあって。ここでいい走りをしたい、と言っていたのに、申し訳なく思います。でも、ネガティブには考えていません。日本選手権、ヨーロッパ遠征、オリンピックという流れは、今のところ変更は考えていません。本番できっちり結果を出す自信もあります。
Q.レースのスピードを出してみて、去年の今頃と比較してどうですか。
末續 練習量が多く、普通の走りができればと思っていましたが、思ったより力が出たというか、思っている以上の、違うものが出てしまった。****で脚を動かすと、違和感が出てしまいます。これ以上やると、もっとひどいものが出てしまいます。先は長いですから。
Q.高野コーチ。リレー全体としてはどうでしょうか。
高野 4×100 mRはこの冬、計6回の合宿を行なってきました。例えば昨年の(世界選手権の)ように、2走(末續)がいきなり抜けたらどうするか。今年は走順を変動させてバトンパスの練習をやってきました。誰がどこを走ってもいいようにと。IF(国際陸連)の試合は今回が最初で最後(国際陸連と地域陸連主催の2大会平均の上位16チームが五輪出場権を得られる)。記録を出さないといけないが、思い切ったオーダーを組みたい悩みもありました。朝原1走もそのうちの1つ。彼が躊躇なく全力で走れるのは1走かなと。1・2走に日本のエースを起用し、トップに食らいついていく作戦でもあります。今日は1・2走が詰まっていました。こいつ(末續)はいつもそうなんです。1・2走のパスが上手くいくと日本記録も出ていた。38秒35は国内最高記録ですし。合宿の成果として、(候補選手の)4人、8人のリレーへの意識は高くなったと思います。

「(改良しているスタートが)できたから、ああいうことになったのでしょう」

Q.クラウチングとスタンディングの違いはありますが、力を使わずに出ようと改良しているスタートはどうでしたか。
末續 そこができたから、ああいうことになったんだと思います。僕の知らないスピードが(スタートから前半で)出ていたのでしょう。
高野 今日もウォーミングアップで(クラウチング)スタートをやっています。その感じはよかったですよ。低く突っ込んで。フラットの100 mが楽しみです。

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