2004/5/8 国際グランプリ大阪
5000m日本人1・3位の徳本・瀬戸は
日本選手権は1万m狙い

順位を優先して記録は日本選手権後に出す計画だが



 男子5000mは日立電線の新外国人選手、フィリップ・モシマ(ケニア)が、ベンジャミン・リモら遠来のケニア選手を抑え13分24秒94で優勝。前評判に違わぬ強さを見せた。2位もサイモン・マイナ(トヨタ自動車)が入り、滞日ケニア選手のレベルの高さを見せつけた。
 日本人トップは徳本一善(日清食品)で13分43秒86。高岡寿成(カネボウ)が静岡国際の1万mとは逆に、前半を抑えて終盤に追い上げるレースをしたが、13分48秒57で徳本をとらえられなかった。3位には瀬戸智弘(カネボウ)が13分53秒05で入った。

徳本:「今日はどこまでついていけるかが課題でした。今季3試合目ですが状態は上がってきています。練習はジョッグと流ししかできていませんが、試合で感覚を研ぎ澄ます感じで。それが上手くいきました。2分35秒くらいで入れば、そのペースで行けたと思います」
瀬戸:「200 mまでは31秒といいペースで入りましたが、200 mから一気にペースが落ちました。68秒くらいに。脚を使わずに自分の位置をキープして、誰かが行ったときに、ワンテンポ遅れて反応できればいいかなと。でも、2000m過ぎでいっぱいになってしまい、徳本と高岡さんに抵抗できませんでした」

 昨年までは1万mよりも5000mが得意という印象があった徳本と瀬戸だが、オリンピック出場を狙うのは2人とも1万mだという。瀬戸はロードシーズンに30kmやハーフマラソンで優勝していたし、徳本も昨年から1万m狙いを口にしていたので、予想されていたことではあったが。
 5000m・1万mの2種目でB標準を突破している高岡はともかく、瀬戸と徳本の2人は1万mでもB標準を突破していない。有力選手を抱えるくろしお通信・コニカミノルタ・大塚製薬に佐藤敦之(中国電力)、三津谷祐(トヨタ自動車)らは5月22日に新潟で1万mのA標準(27分49秒00)を狙うが、徳本と瀬戸の2人は新潟には出場せず、大阪後は日本選手権に照準を合わせる。

徳本:「日本選手権は1万mで狙っています。今は練習が積めていないので、自信がない状態。これから山にこもって(恒例の山籠もり合宿)、ある程度自信を付けたい」
瀬戸:「今年はいつもより仕上がりを遅くしていますから、今日の結果に落胆はしていません。中盤から後半の我慢の仕方が今日の課題でした。この1カ月で練習すれば、問題ありません」

 2人は日本選手権後の「ヨーロッパで」(徳本)「ホクレンで」(瀬戸)、A標準突破を狙う。一方の新潟組は、日本選手権前に複数のA標準突破者を出し、1万mの代表枠を2人、あわよくば3人にしようという狙い。新潟組との違いは、練習の流れもあるのだろうが、徳本・瀬戸の2人がラスト勝負に強い点も、日本選手権勝負に出た理由なのかもしれない(やや強引な結論の導き方だが)。


春季サーキット2004
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