2004/4/25 兵庫リレーカーニバル
男子1万mでは三津谷が日本人トップ
佐藤、尾田、尾方までB標準を突破


 男子1万mは8位までをケニア勢が占め、日本人トップはトヨタ自動車九州の入社2年目、三津谷祐だった。28分00秒23という自己新だけでなく、持ち味であるラストの強さを生かし、きっちり日本人トップを取った。A標準の27分49秒00には届かなかったが、風邪と故障の影響で、練習は不足気味だったという。しかし、森下広一監督はこの日の三津谷を、2つの課題をクリアできた、と評価する。

「1万mはまだ今回が3回目なんですが、6000mから8000mの一番きついところで、自分で集団を引っ張る走りを見せてくれました。もう1つはラストの切り換えです。この前の熊本(金栗杯)がそうでしたが、ジワーという走りで最近、切り換えができていませんでした。ラスト1000mは2分30秒代後半で上がらないといけないと考えていましたが、今日は2分38秒でした」

 それにしても、高校(香川・尽誠学園高)を出てまだ2年目。高卒2年目の最高記録は93年に渡辺康幸が出した28分17秒26と思われるが(未確認)、それを大きく上回った。森下監督は速すぎる成長への懸念も口にした。
「本人には(五輪代表に)選ばれなくてもいいよ、と言っています。代表になればもちろん、代表としての責任をまっとうするため、最善を尽くして頑張りますが、もうちょっとじっくり育っていくのもいいと思います。自分の世界をしっかり持っている選手なので、(選ばれても調子を狂わせないで)左右されたりしないとは思います」
 5月22日に新潟で行われるペースメーカー付きの記録会で、今度はA標準に挑む。

 日本人2位(全体で11位)の佐藤敦之(中国電力)が28分02秒11、日本人3位(同12位)の尾田賢典(トヨタ自動車)が28分03秒92、日本人4位(同14位)の尾方剛(中国電力)が28分05秒76。ここまで全員が自己新&五輪B標準突破を果たした。佐藤と尾方に油谷繁を加えた中国電力の3本柱は、そろって28分13秒台が自己ベストだったが、佐藤が僅かにリードした形に。
 尾方はこの後すぐに、カージナル招待に遠征。コニカミノルタの坪田智夫や松宮隆行らとともに、五輪A標準に挑戦する。また、びわ湖でマラソンの代表入りに失敗した佐藤も、「一発満塁逆転ホームランを狙いますよ」と、笑顔が戻った。もっとも、坂口泰監督は「28分前後からの10秒、15秒というのが大変なんです」と、手綱を締める。

春季サーキット2004
寺田的陸上競技WEBトップ