2004/6/6 日本選手権3日目
男子100 m
高野コーチと朝原コメント

高野進コーチ
「勝負にこだわらないのが、内定をもらっている者の持つべき気持ち」
「13カ月ぶりの100 m(※昨秋のアフロ・アジア大会はレースに入れていないようだ)。感覚を取り戻すのが目的で、勝負にこだわるということなく、去年からテーマにしている“挑戦”というところを主眼とした。ですから、悔しいとか喜ぶとかではなく、冷静に走ることを楽しむっていうんですか。100 mレースのスタートという大会でした。
 日本選手権で頂点に立たないといけない、という焦りはありません。仮にここで負けたとしても、今年の負けではない。それが、内定をもらっている者の持つべき気持ちでしょう。もちろん、出るからには失望させる走りはしたくありませんし、全力でやりますが、あくまでも、ここから始まるという意識です。
(新しいスタートは)できていたと思います。これまでも言ってきたように、ガツガツ行くのでなく、重力を上手く受け止めて、すべるような加速をできるだけ長くしようという走りです。まだ、本当の戦闘モードに入っていないので、冷静にできたと思いますよ」

朝原宣治
「スタートラインに立ってから迷いが出てしまいました」
「決勝は今から考えても、もったいないことをしました。ちょっとねー、あれこれあれこれ、考えすぎてしまいました。アップは集中できていたんですけど、スタートラインに立ってから、こうしないかん、ああしないかんと迷いが出てしまいました。
 スタートと加速部分ですね、考えたのは。予選でいいタイムが出ましたが、スピードが出た分、後半がバラバラになったところがありました。その辺をもう少し、タイミングよくなるように修正したかった。
 予選はまとまらないなかでのタイム(10秒09・+1.5)ですから、収穫はありました。決勝で出せなければ、どうにもこうにも意味はないのですが。精神的にダメですね。(2年ぶりの10秒0台だが)大阪のとき(10秒17・±0)もよかったですけど、それよりちょっといいくらいですね。
 色々と考えても、(いいモードに)入り込めるときもあります。今日はある程度考えてスタートについたのですが、ちょと雑念もあって、入りきれなかったですね。こういうときは精神面ですね。(9秒台を狙ってそうなった)とは言えないですね。かすめたというのは、正直ありますが。何があっても揺れないようにしないと。予選を振り返って直す部分を反復するのはいいのですが、引きずりすぎてしまったようです。(予選の結果、自分に期待する部分が)正直、あったと思います。考えないようにしたのですが、こんなにいい条件の試合はめったにありませんからね。
 決勝は中盤の回転がおかしかったですね。横に末續君が見えて、やばい、となって。60mくらいだったと思います。集中を心掛けましたが、パッと見えてしまって。勝負としては完全に負けです。
 6月末から2週間ほどヨーロッパに行く予定です。プラハが決まっていますが、その他は未定。3試合くらいしてきたいですね。今日みたいなことで気持ちが揺れないように、何かをつかんで帰ってきたい。これまでも、世界選手権、エドモントンの準決勝とかよくあって、しないように心掛けていたのですが、またやってしまった。冷静すぎてもダメなんです。気持ちを高めたなかでリラックスができないと」


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