2003/11/16 東京国際女子マラソン
レース後の高橋との一問一答
「久しぶりに、こんなに死んだなという走りをやってしまいました」
「自分のタイムを1km毎に見ていて、来られて当たり前だなと」
Q.率直な感想は?
高橋 タイムを聞くと笑っちゃいますが、久しぶりに、練習を含めても、こんなに死んだなという走りをやってしまいました。でも、全力でやったので、気持ちはスッキリしています。
Q.28kmで脚に来たということですが?
高橋 脚が棒のようになってしまって、あと14km持つかなと思いました。最初から飛ばしていって、行けるところまで行こうとしました。28kmでやばい、脚がおかしいと感じて、35km過ぎには、ここから最後まで長いなと感じました。
Q.アレム選手が後ろに迫っているのはわかりましたか。
高橋 それは、全然、すごく歓声が多くて…。しかし、自分のタイムを1km毎に見ていて、これは絶対に来るというのが、必然的にわかっていましたから。来て当たり前だなと。足音とかではなくて。
Q.39kmで抜かれたところは?
高橋 30kmあたりで、このタイム(の落ち方)では、追いつかれると思いました。(39kmでは)あっ、やっぱりなと。それまでもけっこう、一生懸命に走っていましたが、脚がもう動きませんでした。
Q.小出監督は食事面に問題があったと言っていましたが。高橋さんに食事を抑えめにする意識があったのでしょうか。
高橋 今年はあまり体重計に乗らず、思ったより少ない体重できていました。気をつける部分はありましたが、いつもと変わらずにやって来ました。レース展開も、もう少し落ち着いて考えれば…。でも、自分なりに精一杯やったので、悔いはありません。
「今は終わったばかりで、(大阪や名古屋を)走っている自分は想像がつきません」
Q.タイム的にオリンピック代表には物足りないと思われますが、大阪や名古屋に出場することは考えていますか。
高橋 今は終わったばかりで、走っている自分は想像がつきません。今の時点では、走ることは考えられません。
Q.大阪でいいタイムがたくさん出てしまったら?
高橋 今のところ、走ることは考えていません。
Q.折り返して、市民ランナーたちとすれ違ったときの感想は?
高橋 止まって応援していただいたり、以前、ジョギング大会でご一緒した人たちもそうしていただいたり、沿道からだけではなく、一緒に走った人たちからも力をもらいました。
「最初から脚をガンガン使って飛ばして行ったから、後半、持たなかった」
Q.後半の失速の原因は、どう分析されますか?
高橋 最初から飛ばしていって、いつもはもう少し落ち着いていくのですが、脚をガンガン使っていったから、後半、持たなかったのだと思います。
Q.監督は、調子がよくて、自分が油断したと言っておられましたが。
高橋 去年が去年だったので、最後まで油断はしませんでした。調子もよかったですし、練習でも最後がこんなに落ちることはなかったのですが、久々に初マラソンのときと同じ気持ちを味わいました。
「みんななんで暗い顔してるの? 私は晴れやかなのに」
Q.2日前の会見では、納得のいく走りができればいいと話していましたが、今、納得されていますか。
高橋 タイムも順位も、こういう結果になって、会う人会う人、暗い顔なんです。応援してくださる方、テレビを見てくださった方で、私の結果で暗くなられるのはありがたいことですが、みんななんで暗い顔してるの? 私は晴れやかなのにと。
Q.世界選手権で内定した野口みずき(グローバリー)さんのほかに、3位と4位も日本選手でした。その成績と、今日のご自分の成績を比べてどう思われますか。
高橋 色々な試合が終わって、最後に皆さんに決めていただくこと。私が判断はできないことです。条件も違いますから。今は最後まで走りきったので、後はいいやあ、と人任せの気持ちですね。今は、終わったあ、という気持ちだけです。
Q.1年以上レース間隔が空いて、レース勘がという部分はありましたか。
高橋 この6年間くらい、1年に1本でしたし、練習でそういう想定はしています。レース感覚という部分がないことはないのですが、(1年ぶりのレースで)ワクワク感が大きく、はやる気持ちで(前半を)行ってしまいました。もう少し落ち着いて行っていたらと思います。
Q.(質問不詳)
高橋 もう少し落ち着いて走れば、少しは付いて行けたかもしれません。
Q.名古屋と大阪に出ないとなると、ずっと目標にしてきたアテネ五輪がなくなる可能性もあります。マラソンランナーとしての目標がなくなるかもしれないのですが。
高橋 今の時点では、6月からこれだけやってきて、こういう結果しか出なくて、こういうこともあるんだな、練習してきた全てを出し切れなかったんだな、という気持ちがあります。今はあとのことは考えていません。次をという思いはありません。
Q.35kmから40kmが20分もかかるというのは、脚が棒のようになって、気持ちの上でも切れてしまったことがるのでしょうか。
高橋 そう思うとズルズル行ってしまうので、気持ちは攻めていきました。呼吸はハァハァじゃないんです。脚に一番来ていました。
以下、カコミ取材で断片的に聞き取れたコメントから抜粋。
「ハイになって飛ばしてしまった」
「久しぶりにこんなに応援されて、嬉しいな、嬉しいなと、(前半から)ハイになっていました。最初は、行っちゃエーと、そんなに速いペースではなかったのですが。落ち着いて飛ばすのならいいのですが、ウワーイで飛ばしてしまいました。落ち着いて飛ばすことができませんでした」
「風はきつかったですね。どこを向いても風、風、風で」
「折り返しくらいから、右足にマメができていました」
女子マラソン2003-04
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