2003/11/16　東京国際女子マラソン
小出監督コメント
「エネルギー切れ。食べ物で失敗した。私が前半から行くしかないと、言ってしまった」

もう１回選考レースを走るかどうか。
「（もう１回走らないとダメですか？　と聞かれたのは）走ってすぐ。27分じゃあ、どうにもならないと言った。しかし、終わったばかりで、まだいいや、という気持ちもあるし、もう１回という気持ちもある。僕はオリンピックに行こうな、とは言っているが、２週間経って本人がどうか、でしょう。本人がもういいと言えばそれまでだし、名古屋がまた風が吹くかもしれない」

後半、失速した原因について。
「これまでの経験でもときどき、（練習の）後半でフワーっと落ちることがある。30kmとかでも、最後７〜８kmや、３kmくらいでフワーっと、そこにはまってしまうことが、どんなに強い選手でもある。いい気持ちになって、（その場で）寝込んじゃいたいような感じ。血糖値が一気に下がるんですね。そうなったら、気力ではどうしようもない。１歩（のストライド幅）が半分くらいになっちゃうんだから。エネルギー不足だったかな。食べ物で失敗したかもしれない」

それは、今後の練習に差し障りのあることなのか。
「ぜんぜんならない。明日走れと言われれば、２時間22〜23分で走れる。マラソンはそんなもん。今日はたまたま、エネルギー切れを起こした。見ている人はがっかりしたと思うが、本人は一生懸命やった。今は朝練でも、最後の５kmは16分台で上がれる。今日は24〜25分もかかってしまうんだから、マラソンは難しい。帰ってきて、『やっぱり歳かなー』って声も聞こえたけど、33歳までは行ける。トレーニングは変えるけど」

エネルギー切れの原因について。
「いくらベテラン選手でも、任せちゃいけないんですね。しつこく言わないと。原因は食事だった。最後にももっと、食事をとらせないといけなかった。朝の食事が少し硬いとかで全部食べなかった。『後で食べますからね』とか言って、レース後には２個もお弁当を食べた。食べさせなきゃ、ダメだったかな。反省することばかり。用心深さが欠けていましたね。45〜46kgがベスト体重なのに、この前のタイムトライアルのときは43kgだった。慌てて１週間、ウナギと○○○を食べろと言った。やせればいいというものじゃない。20kmまでは細い方がいいし、30kmまでだったら走れるもの。残り12kmは細くてはダメ。ハーフを走れてもマラソンを走れない選手はいっぱいいる。体を動かして１時間30分から１時間40分を過ぎると、パタンと来る。バネやストライド、筋肉の力が一気になくなる。（食事も）任せっきりじゃダメだね。そのための監督、コーチなんだから」

前半を飛ばしたことについて。
「レース間隔が空きすぎて、前半でパーンと行っちゃった。これは言い訳ですが、マラソンって難しい。私が前半から行くしかないと、言ってしまったから。それで10kmまで、ポンポンと飛ばしてしまった。あれを跳ばずに、ペタペタ行けば持ったかもしれない。
（トラックなどで）強い選手が30kmまでいいペースで行くのに、35kmでガクーっと落ちることがよくあるが、最初からバネを使っていくから。ちょこちょこエネルギーを使わない走法だと持つんです。
　それが今日は、前半から行くしかないと、最初から気負いすぎたかな。そこもあるし、他にも色々と原因はあったと思う」

最後に深々と礼をして。
「ホント、がっかりさせちゃって申し訳ない」

日本陸連・桜井専務理事コメント
「選考レースに出るかどうかは、本人が決めること」

「（高橋らしさが出たか？　という問いに）後半にスパートしたときは、最後まで行くかな、と思った。インタビューで28kmから脚に来たと話していたが、苦しいレースをしたのではないか。
（もう１回走る必要があるかどうかは？）それは本人が判断すること。我々は４つの選考会をもとに判断します。４つの戦いを見て、残りの２人を選びます。マラソンには色々な条件があるので、４つ（全てが）終わらないと、なんとも言えません。
（今日の結果と、ディフェンディングチャンピオンという結果をどう判断するのか？）ディフェンディングチャンピオンであることよりも、選考会の４つを見て決めます。実績よりも選考レースでの戦い方を見て選びます。アテネで戦えるメンバーを、どう選ぶかですから。将来とか過去とかではなく、今の時点で戦えるメンバーになります。
　我々が期待していた形でなかったことは確かですが、マラソンは色んな条件がある。（暑さや風が何分マイナスだったとか）それはなんとも言えない。他の大会もある。優勝はできませんでしたが、選考会の上位ですから選考対象です。４つ終わって協議をして決めます。
（選考会にもう１回挑戦するのは）本人が判断すること。もう１回出れば、それも判断する対象になるし、出なければ今日の走りで判断します」


女子マラソン2003-04
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