2004/1/25 大阪国際女子マラソン
さよならパーティー後の坂本直子共同会見
「5kmでは“オソー”、千葉さんがでたときは“よし来た!”と思いました」

Q.朝からかなりハイテンションでしたよね。
坂本 そうですね。いよいよレースを走るんだ、という気持ちで。夜は爆睡して、メールも来ていましたが1回も起きなかったのですが、目を覚ました瞬間から。
Q.朝から会うたびに、Vサインをされていましたが、自信があった?
坂本 自信はありましたが、正直、走ってみないとわかりませんでした。でも、勝負がかかっていることですから、自分で自分を高める必要があります。自信があるとみんなに言うことで、もっと自信を持てるようになります。
Q.ケガもなく、順調に来たことも自信に?
坂本 それが一番だったと思います。
Q.不安もあったのですか。
坂本 はい。走り始めてもし動かなかったら、とか、勝負所で動かなかったらどうしようと。でも、ここまできたら、それを考えてもしょうがありません。
Q.5kmを通過(18分20秒)したときはどう思われましたか。
坂本 “オソー”っと思いました。でも、みんな勝負を意識していましたから、遅くなるだろうなと予想していました。でも、自分で引っ張れる自信はなかったので、中で“ガマン、ガマン”と思っていました。
Q.集団の中ではいい位置をキープしていましたが。
坂本 でも、スローペースでリズムをとりにくかったですね。
Q.千葉(真子・豊田自動織機)さんがスパートしたときは?
坂本 “よし来た!”と思いました。
Q.31kmのところは?
坂本 30km過ぎの給水で行こうと、そこで自分からスパートしようと、スタート前から決めていました。監督からは、1回ちょっと上げてみて、周りを見て判断しろと言われていました。
Q.突き放したとすぐにわかりましたか。
坂本 スパートしてちょっとしてから後ろを見たら、差が開いていて、(そのまま)行くしかないと思いました。
Q.余裕があった?
坂本 あの時点では余裕がありました。でも、33〜34kmからきつかったですね。差が開いているのはわかりましたので、逃げなきゃ、と思っていました。
Q.千葉さんの影が怖いと思わなかった?
坂本 思いました。40kmのところでへばってたから、千葉さんに抜かれれのではと。
Q.テープを切ったときは?
坂本 嬉しかったですね。今まで切ったことがありませんでしたから。ちょっといい練習ができたとき、ガッツポーズでゴールしようかとか考えましたけど、いざ自分がその場になってみると、どういうポーズをしたか覚えていないんです。(優勝した)実感もまだありません。練習が終わったみたいな感じです。

「これまでは自分の動きだけに集中していましたが、今日は周りを見ながら走りました」

Q.オリンピック代表を引き寄せた実感は?
坂本 どうでしょうかね。
Q.本気で勝ちに行ったレースは初めてだったと思うのですが、そのプレッシャーはありましたか。
坂本 臨む気持ちは違っていたと思います。勝たなきゃいけない気持ちが大きかったし、走っていても周りが気になった。これまでは自分の動きだけに集中していましたが、今日は周りの人の余裕度を見ながら走ってしまいました。たぶん、そういう戦法をとらないといけないのがわかっていたから、緊張していたのだと思います。
Q.周りの余裕度がわかりましたか。
坂本 息づかいとか。
Q.千葉さんが勝負に出たところでも?
坂本 表情は見ていませんが、あそこまで引き離そうと上げたのに、私に付かれてしまったわけです。あそこで私が出て、ちょっとでも差を空けられたら、行けるのではないかと思いました。
Q.東京国際女子マラソンを見て参考になった点は?
坂本 慎重にやっていこうと思いました。練習や調整を。これまでの2回のマラソンも、自分の中では悪くはありませんでした。しかし、3回目も上手くいくと決めつけるおごりの出ないように、ゴールするまではわからないからと、慎重に行こうと思いました。
Q.3回のマラソンで一度も失敗がないのはなぜでしょう。
坂本 天満屋の先輩たちがマラソンをやってきたのを見てきたからだと思います。勝たれている先輩を多く見てきて、ノウハウが自分なりに蓄積できたのかもしれません。それに監督が、自分に合った、体調に合ったメニューを立ててくれているのでしょう。
Q.ゲンを担いだり、お守りを持ったりはしますか。
坂本 特にありませんが、後輩にもらったものを持っています。去年、全国高校駅伝で県西宮が3位に入って、きっと後輩たちのパワーがたくさん詰まっているんです。合宿のときから持っています。


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