2004/3/7 びわ湖マラソン
高塚が大ブレイクの8分台
チーム最高&北海道出身選手最高
そして同一大学同学年選手初の2人目のサブナイン


 今大会、陸上関係者を最も驚かせたのが、高塚和利(小森コーポレーション)の2時間8分台だったのではないだろうか。毎日新聞の報道によると、高塚自身「こんな上位に入れるとは思ってなかった。マラソンで戦える自信がつきました」とコメントしている。
 東海大出身で、昨年6月のNECの廃部(休部?)で小森コーポレーションに移籍した選手。マラソン全成績は以下の通り。

高塚のマラソン全成績
02びわ湖 16位 2.13.45.
03びわ湖 51位 2.20.49.
04びわ湖 5位 2.08.56.


 東海大では4年連続箱根駅伝に出場しているが、これという快走はなかったし、同学年に福岡で2位(2時間07分55秒)の諏訪利成(日清食品)がいたこともあり、2区は走っていない。10区6位・3区5位・3区12位・4区7位というのが箱根の4年間だ。インカレの戦績まで調べきれなかったが、4年生時には1万mで29分ヒト桁を出しているので“箱根前には注目された”と思う。同学年には藤田敦史(駒大→富士通)や三代直樹(順大→富士通)がいたので、それほど大きく取り上げられたとは思えないが。
 NEC入社後も3年間は、3年連続1万m29分10秒台でニューイヤー駅伝にも出ていない。4年目の2002年に28分41秒47を記録し、ニューイヤー駅伝にも出場。それでも、7区23位というレベルだった。
 昨年、小森コーポレーションに移籍すると、2年連続で1万m28分台を記録。ニューイヤー駅伝は区間25位だったが“外国選手区間”の3区に起用された。そして、今回のマラソンでの大ブレイク。大幅な記録更新の要因はどこにあるのだろう。
 取材をしていないので推測の域を出ないが、たぶん以下のような感じだろう。初マラソンで2時間13分台を出しているので、1万mのレベルから推察するにスタミナのある選手ではあったのだろう。NECの3年間で何らかの下地ができ、4年目にそれが表面に現れ始め、そこに今大会に向けて“いい練習”ができた。
 小森コーポレーション最高記録は、南忍の2時間13分23秒だろうか(確認できず)。とにかく、今回の高塚の記録が最高記録であることは間違いない。さらに、これも従来の記録が確認できないが、北海道出身選手(東海大四高)の最高記録でもある。
 そして、これまで駒大、早大、大東大、中大、山梨学大OBが2人以上のサブナイン選手を輩出しているが(現役選手も含む。早大のみ3人であとは2人)、同一大学の同学年選手2人がサブナインを達成したのは史上初の快挙だ。昨年の大崎栄コーチの就任、今年の箱根駅伝チーム最高順位の2位と、注目を集めている東海大。だが、大崎コーチ自身も話しているように、下地はそれ以前にできていたということだろう。
 新聞報道によれば、高塚は「次は世界選手権出場を狙います」と話したという。次は、しっかり取材させてもらわないといけない選手だ。


男子マラソン2003-04
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