2004/11/2 四実業団合同女子駅伝加古川大会前日
区間エントリー発表
福士欠場の理由は?
入社1〜2年目選手の活躍がカギ?
山中は13カ月ぶりのレース


 淡路島女子駅伝も今年から距離が延びる予定だったため、代替の加古川大会も下記の区間距離で行われる。
1区 6.195km
2区 4.0km
3区 12.0km
4区 4.0km
5区 10.0km
6区 6.0km

ワコール
 2日の14時からの監督会議後に区間エントリーが発表された(関西実業団連盟のサイトに一覧表)。
 前回優勝のワコールは、
鈴木亜弥子・湯田友美・野田頭美穂・片山千裕・風間友希・堀本真理子
 のメンバー。静岡国際1万mで日本人トップの鈴木を1区に、2区に1500m・3000mで活躍している1年目の湯田、3区に準エースの野田頭、5区に新人だが長めの距離で期待される風間という布陣。福士加代子は補欠に回った。永山忠幸監督は、今回の区間エントリーについて、次のように説明した。
「オリンピック後、1カ月休んで故障は完治しました。走ろうと思ったら走れるのですが、無理をさせたくありません。今日、6人のうち誰かが発熱でもしたら、本人は行く気でいますよ。温存ですね。今回は新人を10km区間に起用するなど、無理な配置をしていますが、全日本に向けて、福士を除く6人でどれだけ戦えるかを見てみたいのです。(全日本実業団では今一つだった)野田頭も、福士がいないということで、奮起してくれると思いますよ。どちらかというとロードの方が好きな選手ですし、流れに乗せてくれると思います」

京セラ
 そうなると昨年の淡路島、全日本ともに2位の京セラが優勝候補筆頭となる。
小川清美・吉野 恵・原 裕美子・吉田佳菜・阿蘇品照美・高仲未来恵
 のメンバーで、全日本実業団・国体と1500mで好タイムを連発した杉森美保は、今回は長い距離に間に合わなかったのか、補欠に回った。しかし、今季は1区の小川清美が15分20秒台を2度記録し、2区の吉野は国体5000mに優勝。昨年の淡路島1区区間賞(全日本でも1区)の吉田佳菜が長めの距離にも進境を示して1万mで32分17秒79を記録。
 むしろ、原、阿蘇品、高仲と以前から長距離区間を担当してきた選手たちの方が、調子が気になるところ。原と阿蘇品は全日本実業団でともに32分15秒台で走ったが、特に阿蘇品は昨年よりも調子を落としている。そして高仲は、昨年の東京国際女子マラソン以後、なかなか復調できていない(全日本実業団は32分50秒台)。
 明日は阿蘇品、高仲の長距離区間候補がどこまで復調しているかをチェックするレースとなりそうだ。

天満屋
 天満屋の坂本直子も、「上手く走れるようになったのは10月に入ってから」だが、同じように8月の世界選手権を走った「昨年よりも状態はいい」と言う。
山ア智恵子・山岸万里恵・坂本直子・浦田佳小里・中村友梨香・泉 有花
 のメンバー。マラソンまで走れる北山由美子と、国体のハーフマラソンを走ったばかりの挽地美香を欠くが、「坂本以外は、誰がどこを走っても同じ」(武冨豊監督)だという。
 とはいえ、1区の山アは派手さはないが、5000mでは確実に15分40秒台で走り、集団に付いていくのが得意の選手。注目すべきは2区の山岸と5区の中村の新人コンビ。山岸は1人で走れるタイプで、「5000mならチームで一番強い」(武冨監督)という。中村は坂本の県西宮高の後輩で、昨年のインターハイ3000m、全国高校駅伝1区ともに6位。
 ワコール、天満屋ともに全日本大会に向け、高卒新人2人がどのくらい走れるかを見ようとしている。

ダイハツ
 ダイハツは山中美和子を1区に起用してきた。
「去年のトラックの全日本実業団以来の試合です」と本人。
 今年の大阪国際女子マラソンに向けての練習中に痛みが出始めて、昨年の淡路島女子駅伝1週間前に恥骨の疲労骨折が判明した。今年の3月に一時的によくなり、走り始めたが再度痛めてしまった。
「リハビリと筋トレは続けていましたが、6月頃からジョッグを始め、8月のアメリカ合宿では毎日90分ジョッグ。スピード練習ができたのは10月に入ってからです」
 しかし、世界クロカンで4位に入った選手。元々、持っているスピードがある。本来の持ち味である積極的なレースはできないかもしれないが、集団についていくことで復調のきっかけをつかもうという意図だろう。
山中美和子・出口裕未・大越一恵・吉原有美・松尾幸子・本村智尋
 のメンバー。チームとしては、全日本実業団のジュニア3000mで2位(京セラの吉野恵が優勝)、5000m1組でトップを取った入社2年目の松尾幸子が、大越一恵と同レベルの練習をこなせているという。入社1〜2年目の選手がカギを握るレースとなるかもしれない。


寺田的陸上競技WEBトップ