2005/1/3 箱根駅伝
異常だった今年の“山”
@今井の区間新により登りは区間1・2位が3分38秒差
あの大久保初男以来、28年ぶりの大差
今年の“山”は異常な状況となった。登りの5区では今井正人(順大)が1時間09分12秒と区間記録を1分43秒も更新し、チームを15位から4位に順位をジャンプアップさせた。つまり、11人のごぼう抜きである。
ごぼう抜き記録は15人の中川拓郎(順大・79回=03年)が最多で、12人の服部誠(東農大・50回)と尾田賢典(関東学院大・79回)が続く。今井の今回の11人は歴代4位だが、歴代3位までは全て2区での記録。つまり、2区以外では、今回の今井が最多記録となる。
と、ここまでは、テレビや新聞などでも報道されたこと。本サイトでは区間2位との差に注目した。
区間2位とのタイム差の歴代上位記録が、昨秋ベースボール・マガジン社から発行された箱根駅伝(B・B MOOK)に出ている。それによると、41回大会以降では大久保初男(大東大)が52回大会の5区で記録した4分05秒が最大。タイム差の大きいベスト10を、区間による内訳で見ると2区が4個、5区が3個、9区が2個、6区が1個となっている。距離の長い2区と9区、スペシャリストが力を発揮する5区で開きやすいということだろう。
6区もスペシャリストの区間だが、山登りに比べれば、下りということで差は開きにくい。6区がリストアップされた1つは59回大会の谷口浩美(日体大)の3分20秒で、6区選手としては走力自体が抜き出ていたから、これだけの大差となったのだろう。
しかし、差の開きやすい5区といっても、今回、今井が区間2位につけた3分38秒差は、近年ではない大差だと感じられた。そこで、5区の区間1・2位のタイム差を調べてみたのが、下の表である。やはり、大久保の52回大会(1976年)以来の大差だった。2分以上の差というのも、1986年の木下哲彦(早大)以来という快挙なのである。
参考までに、45秒以上の差をつけた年は、その選手名を付記した。大塚正美(日体大)、小林雅幸(早大)、野口英盛(順大)と、平地でも強い選手もいれば、大久保、木下、奈良修(大東大)と登りのスペシャリストもいる。今井が、どちらのタイプの選手に分類されるかは、今後の成長次第ということになる。
年 |
1・2位差 |
区間1位 |
大学 |
2005 |
3:38 |
今井正人 |
順大 |
2004 |
0:38 |
|
|
2003 |
0:46 |
中井祥太 |
東海大 |
2002 |
1:00 |
野口英盛 |
順大 |
2001 |
0:02 |
|
|
2000 |
0:00 |
1位2人 |
1999 |
0:40 |
|
|
1998 |
0:03 |
|
|
1997 |
0:44 |
|
|
1996 |
1:32 |
小林雅幸 |
早大 |
1995 |
0:15 |
|
|
1994 |
0:33 |
|
|
1993 |
0:32 |
|
|
1992 |
1:47 |
奈良 修 |
大東大 |
1991 |
0:19 |
|
|
1990 |
1:20 |
奈良 修 |
大東大 |
1989 |
1:35 |
島津秀一 |
日体大 |
1988 |
0:24 |
|
|
1987 |
0:33 |
|
|
1986 |
2:42 |
木下哲彦 |
早大 |
1985 |
1:32 |
木下哲彦 |
早大 |
1984 |
0:46 |
大八木弘明 |
駒大 |
1983 |
1:19 |
岡 俊博 |
日体大 |
1982 |
0:18 |
|
|
1981 |
0:58 |
大塚正美 |
日体大 |
1980 |
0:54 |
上田誠仁 |
順大 |
1979 |
0:05 |
|
|
1978 |
0:51 |
新原保徳 |
順大 |
1977 |
1:01 |
大久保初男 |
大東大 |
1976 |
4:05 |
大久保初男 |
大東大 |
1975 |
2:49 |
大久保初男 |
大東大 |
1974 |
2:15 |
大久保初男 |
大東大 |
A下りは上位7チームに順位変動なし
B野村の不調により、区間1位から1分以内に10チームの大接戦
も後日、掲載予定
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