2005/1/3 箱根駅伝
異常だった今年の“山”
A下りの6区は上位7チームに順位変動なし
6区のテレビ映像を見ていて、「いつもとちょっと違うぞ」と感じた。有力選手が前を行く選手を“抜き去る”シーンが、まったくないのだ。芦ノ湖をスタートした東海大・駒大・日大・順大・日体大・中大・亜大の順番が、13.7kmの大平台定点でも、17kmの函嶺洞門でもまったく同じ。過去2年連続区間賞の野村俊輔(中大)が、必ず順番を上げてくるだろう、と決めつけていたこともあるのだろう。違和感が大きい6区となった。
結局、小田原中継所でも1〜7位までの順位は同じ。5区と比べるとタイム差のつきにくい6区だが、ここまで順位変動がないのも珍しいのではないか。@でも紹介した箱根駅伝(B・B MOOK)掲載の第1回大会からの全成績を調べてみると、1981年の57回大会以来24年ぶりという珍事。ちなみに、その81年大会は1位から15位まで、まったく順位変動がなかった。これはもう、各大学の力が接近している近年では考えられないこと。今後もまず、起こることはないだろう。
蛇足であるが、そのとき6区を走った選手の中には、谷口浩美(日体大・現沖電気)、河野匡(筑波大・現大塚製薬)、星善市(中大・現パナソニックモバイル)と、現在一線に立っている指導者の名前が見られる。5区にも上田誠仁(順大・現山梨学大)、大塚正美(日体大・現城西国際大)、前河洋一(筑波大・現国際武大)、永山忠幸(東農大・現ワコール)、仙内勇(東洋大・現愛三工業)と多い。
単に、指導者として脂の乗る世代が、その頃学生だった、ということだろうか。それとも、箱根の“山”を経験した選手は競技と人生、両方の“山”を教えるのに向いているのだろうか。
B野村の不調により、区間1位から1分以内に10チームの大接戦
も後日、掲載予定
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