2004/12/5 福岡国際マラソン
レース後の共同会見
1位・2時間09分10秒
尾方剛
「ちょうど大崎が行ききれなくてペースが落ちたので、スパートしました」
Q.スパートしたときはどんな考えで?
尾方 35kmを過ぎたらスパートしようと思っていたら、ちょうど大崎(悟史・NTT西日本)が行ききれなくてペースが落ちたので、スパートしました。
Q.(質問不詳。周りの表情を見ていたとか、そんなニュアンスの質問)
尾方 ハーフ通過が1時間4分台でしたから、記録は無理だと思いました。2時間9分半を切れればいいかな、と。35km以降で勝負をしようと思っていましたから、コリル(ケニア)はどこだと。
Q.スパートする際、コリルにどう対処しようと考えていましたか。
尾方 (スパートした後)1回、後ろを見て確認をしました。余裕があればすぐに、付いて来るでしょう。付いてきたら、そのとき考えようと思っていました。
Q.去年と違って余裕があった?
尾方 1年間かけて準備をしてきました。そのなかで、やるべきことはやってきましたから、ある程度ゆとりがありました。走っている最中もゆとりを持てないと、勝負所の前で消耗してしまいます。
「動きが良かったので、入れ込まないようにしました」
Q.前半は、集団の後ろに位置していましたが、風除けという意味でしたか?
尾方 大きな選手の後ろについて、無駄な体力を使わないようにしました。あまりに調子が良くて、動きが良かったので、入れ込まないようにしました。
Q.2日前の会見で「調子はまあまあ」と話していましたが、本当は調子が良かった?
尾方 調子がいいとあまり言ってしまうと、自分が乗ってきてしまうんです。抑えること、セーブしていくことも必要だと判断しました。
Q.マラソン初優勝の感想は?
尾方 子供が産まれて初めてのマラソンで勝つことができて、それが嬉しかったですね。これからも励みになります。もっと強くなれると思います。
Q.練習の流れは?
尾方 トラックやハーフマラソンのレースに積極的に出て、なおかつ練習もしっかりやってきた。その辺が去年と違うところです。
Q.その間、故障は?
尾方 なかったですね。昔は、よくしていましたが。
Q.風はすごかった?
尾方 かなり、ありました。実業団駅伝と同じくらい。実業団駅伝で一度経験したことが、生きました。
Q.世界選手権のメダルの手応えは?
尾方 福岡で勝つレースをしないと、世界選手権でメダルを取れないと言っていましたし、言った通りにできました。今の段階では手応えを感じています。
「勝負の世界ですし、後輩に負けたらしめしがつきません」
Q.常に2時間9分29秒を計算していましたか。
尾方 全然、考えていませんでした。40kmで2時間2分ちょっとで、ヤベェって思いました。調子的には2時間7分台で走れる感じはありました。
Q.子供が産まれて、直前の準備に心配はありませんでしたか。
尾方 家族の理解、協力があったので心配はありませんでした。
Q.今朝、起きて風が強いとわかったときは?
尾方 がっかりしました。6分台も狙っていましたから。でも、(4年前の)藤田君のときの例もあります。(風向きが変わるという意味で)神風が吹かないかな、と祈りましたが、日頃の行いが悪いせいか、ダメでした。
Q.山梨学大の後輩との争いになりましたが。
尾方 試合とかで合えばいつも話をしていましたし、今日もレース前、お互いに頑張ろうと話しました。それでも、勝負の世界ですし、後輩に負けたらしめしがつきませんし。
Q.スパートするときに大崎選手の顔を見ましたか。
尾方 顔を見たのではなくて、動きが止まっていると感じたので、行っちゃおうと。付いてきたら、そのときまた考えようと。
Q.コリル選手は?
尾方 ポーンポーンと走っていましたね。付いてくるかな、来たら来たで考えようと思っていました。
Q.スパートが早すぎるとは、思わなかった?
尾方 ここしかない、と思いました。一緒に行ったら、そのままズルズル行きそうでした。
Q.どのあたりで、自分が強くなったと感じましたか。
尾方 自分では、強くなったと感じていません。去年は調子が良くても走れなかった。今年は、それができたということだと思っています。
Q.世界を考えた場合、今日のレースだったらどこが課題となるでしょうか。
尾方 レースによってまた、違ってくるものです。今日は風の影響があったとはいえ、後半、もう少し上げられたらよかったですね。最低でも2時間8分台は出したかった。
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