2004/7/23 MTCアテネ五輪壮行会
室伏広治がオリンピックへの抱負と持論を展開
「結果を残そうという気持ちが行きすぎると、逆にオリンピックを汚すことになる。のびのび戦うことが大事」
体調はいいですよ。練習もスケジュール通りに進んでいます。ケガにも注意していますが、いいパフォーマンスができるように頑張っています。
(4年前と比べて)ちょっとは違うでしょう。その間の経験が大きいと思います。試合や、色んなコーチとのやりとりが、経験として蓄積されている。投げることにおいても、技術的にも体力的にも違っている。比べるあれはないが、おかげさまで成長させてもらっています。
(シドニー五輪を思い出すことは)あまりないですね。たまにありますけど。あるとすれば心理状態のこと。心の持ち方がどうだったか、とか。その点では、選手としてmustの考え方じゃダメだと思います。自分でプレッシャーをつくるのはよくない。のびのびと取り組むことが重要です。
(4年前は)自分でプレッシャーをかけていました。結果を残さないといけないと思ってしまった。オリンピックは結果を残すとか、そういうものじゃないと思います。逆に、そういう気持ちが行きすぎるとオリンピックを汚すことになる。のびのび戦って行くことが大事でしょう。全員がそうしたら、みんないい成績を出してしまいますが、それでいいと思う。
(4年前がこうだったから、今度はこうしたいという点は)気持ちを落ち着かせてやるということです。オリンピックだからと意識しすぎるとよくない。意識するなというのは無理かもしれないが、それに近づけるようにしたい。
(妹の室伏由佳に4年前の経験話は)しなくてもわかるんじゃないですか。出ていなくても、見ていることが重要なんです。自分の中に映像があることが。経験していなくても、実感としてあると思いますよ。
(ライバルたちの記録は)非常に客観的に受け止めています。今、僕はランク5番目ですが、上の4人はどこで出したのかとか、あまりそこに参戦せず、客観的に楽しませてもらっています。(昨年のプラハで世界歴代3位を出したことは)それはそれで、記録は出せるときに出すべきだと思います。去年と今年ではまた、まったく違う投げ方をしていますし、つかみかけているものもある。
(どう違うかは)オリンピックが終わったら説明します(笑)。自分の投げ方がよりコントロールできることが大事。最後のリリースの瞬間まで何をしているか。あれだけ速く回転していますから、何がなんだかわからないうちに終わってしまいます。練習の段階ではそれをコントロールできるようにして、試合では自然と無我夢中になりますが、それを試合でも落ち着いて取り組めるようにしたい。落ち着いて投げることが、特に僕には大事じゃないかと思います。“どう、どう、どう”(と、いなすのが必要な試合は)しょっちゅうありますよ。僕のクセですから。
(オリンピックの位置づけなどは)オリンピックで自分の全てを出せるかどうかはわかりませんが、自分自身、まだまだ伸びるところがたくさんある。ものすごく大きな可能性を見つけたんです。これから数年が楽しみですね。今年は、その最初の年です。(見つけられたのは)アメリカ合宿や、コーチの影響もすごくあると思います。練習パートナーもそう。(ハンマー投が以前にも増して)楽しいですよ。ジェットコースターに乗っているようなものですから。ハンマー投は三半規管(※)なんですよ。運動神経よりも先に、バランスが良くなければダメなんです。力があるだけでは軸も保てない。上手い軌道に乗っているときは本当に、ジェットコースターに乗っているときみたいなんです。上手くいくと頭を刺激しますね。
(※)脊椎動物の内耳にあって、平衡感覚をつかさどる器官。半円状の三個の管からなり、互いに直角をなして連なる。
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988.国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988.
ハンマー投2004年リスト
83.79 Ivan Tikhon BLR 24 07 1976 1 Minsk 10 07 2004
83.65 Adrian Annus HUN 28 06 1973 1 Debrecen 11 07 2004
83.36 Ivan Tikhon 1 Minsk 26 06 2004
82.91 Vadim Devyatovskiy BLR 20 03 1977 2 Minsk 10 07 2004
82.65 Koji Murofushi JPN 08 10 1974 1 Eugene, OR 19 06 2004
82.59 Adrian Annus 1 Magglingen 29 05 2004
82.23 Igor Astapkovich BLR 04 01 1963 3 Minsk 10 07 2004
82.18 Koji Murofushi 1 Osaka 08 05 2004
82.15 Olli-Pekka Karjalainen FIN 07 03 1980 1 Lapua 11 06 2004
82.09 Koji Murofushi 1 Tottori 06 06 2004
82.03 Adrian Annus 1 Szombathely 24 04 2004
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