アテネ五輪全種目PREVIEW & 寸評
男子110 mH
世界記録 12秒91(+0.5) C・ジャクソン(英) 1993
五輪記録 12秒95(+0.6) A・ジョンソン(米) 1996アトランタ
優勝予想 12秒96(±0) A・ジョンソン(米)
日本選手五輪最高順位 準決勝6位 三木義雄 1928アムステルダム
日本選手五輪最高記録 13秒74 谷川 聡 2000シドニー1次予選5位


●PREVIEW
ローマGLで確信したジョンソンの優勝
 普通に考えれば伸び盛りの劉翔(中国)と、どちらにするか迷うところだが、自信を持ってジョンソンを予想した。13秒11の同タイムでジョンソンが勝ったローマGLのレースを見ての判断だ。いつものようにジョンソンがスタートから序盤でリードを奪い、それを劉翔が追い上げる展開。9台目を過ぎて劉翔が急迫しての同タイムだったが、リプレイを大型スクリーンで見ると、ジョンソンが9台目を踵で倒しているのだ。
 9台目以外にも4〜6台は倒していたが、いずれもふくらはぎか大腿裏でかすったもの。テレビ解説かどこかの記事で「ハードルは倒すためのものではない」と誰かが言っていたが、ジョンソンに限ればその説は当てはまらない。下手にハードルを倒さないハードリングをするよりも、かする程度なら、例えハードルを倒しても間違いなく速く走りきれるのだ。
 しかし、さすがに踵で倒すとなると受ける衝撃は大きく、減速度合いも大きい。逆に言えば、踵で倒さない限りジョンソンが勝つ可能性が高いのだ。70%という数字は、ジョンソンが踵で倒さない確率を予想した数字である。

●日本選手PREVIEW
ミズノ・コンビに期待
 谷川聡と内藤真人のミズノ・コンビは、8月の富士北麓合宿で好調だった。大森ハードル部長によれば、ハードル間のタッチダウンタイムで1秒を切っているという(ただし、ビデオからの計時ではなく手動計時)。内藤によれば正規のインターバルよりも一足長短く設置していたというが、練習を短い距離に設置するのは、“刻む”動きを重視した場合に有効だ。実際のレースとなれば、ストライドは自然と延びる。踏み切り位置がハードルに近づきすぎないようにすることが重要なのだ。
 谷川は結果よりも自身の動きを重視する考え。シドニー五輪のときとは対照的で、その辺は後輩の室伏広治(ミズノ)と共通している。結果的に13秒4前後が出れば、準決勝突破もあり得るが、五輪本番でそれができるかどうか。
 一方の内藤は、五輪本番の1次予選でシーズンベストは出せる手応えがあるという。その感覚を基に2本目、3本目とタイムを上げていくビジョンも見えて来つつあるという。準決勝で自己の日本記録を更新できるようだと、ひょっとする可能性も出てくる。

●2004年男子110 mHパフォーマンス・リスト
13.05 1.6 Allen Johnson USA 01 03 1971 1r1 Lausanne 06 07 2004
13.06 -1.2 Xiang Liu CHN 13 07 1983 1 Osaka 08 05 2004
13.06 Xiang Liu 1 Tianjin 01 08 2004
13.07 -0.7 Allen Johnson 1 Paris Saint-Denis 23 07 2004
13.08A -0.2 Allen Johnson 1 Ciudad de M騙ico 22 05 2004
13.09 -1.1 Terrence Trammell USA 23 11 1978 1 Sacramento, CA 18 07 2004
13.11 0.2 Allen Johnson 1 Roma 02 07 2004
13.11 0.2 Xiang Liu 2 Roma 02 07 2004
13.12 1.9 Allen Johnson 1 Palo Alto, CA 31 05 2004
13.12 -0.5 Allen Johnson 1 Ostrava 08 06 2004
13.13 1.8 Larry Wade USA 22 11 1974 1 Austin, TX 02 04 2004
13.13 1.7 Larry Wade 1r3 Modesto, CA 08 05 2004
13.13 -1.2 Allen Johnson 2 Osaka 08 05 2004
13.13 -0.1 Allen Johnson 1 Z・ich 06 08 2004
13.14 1.3 Larry Wade 1 Eugene, OR 19 06 2004
13.14 1.3 Allen Johnson 2 Eugene, OR 19 06 2004
13.14 1.6 Terrence Trammell 1sf2 Sacramento, CA 18 07 2004
13.17 0.6 Allen Johnson 1sf1 Sacramento, CA 18 07 2004
13.20 Xiang Liu 1 Nanning 18 04 2004
13.20 1.9 Terrence Trammell 2 Palo Alto, CA 31 05 2004
13.21 1.6 Stanislavs Olijars LAT 22 03 1979 2r1 Lausanne 06 07 2004
13.21 -1.1 Duane Ross USA 05 12 1972 2 Sacramento, CA 18 07 2004
13.22 1.7 Dawane Wallace USA 30 12 1976 2r3 Modesto, CA 08 05 2004
13.23 1.3 Xiang Liu 1 Mito 05 05 2004
13.24 -0.1 Terrence Trammell 2 Z・ich 06 08 2004
13.25 0.7 Allen Johnson 1r2 Walnut, CA 18 04 2004
13.25 -0.5 Xiang Liu 1 Zagreb 29 06 2004
13.25 -1.2 Allen Johnson 1qf1 Sacramento, CA 17 07 2004
13.25 0.6 Duane Ross 2sf1 Sacramento, CA 18 07 2004
13.25 -1.1 Allen Johnson 3 Sacramento, CA 18 07 2004
13.25 0.9 Allen Johnson 1 Birmingham 25 07 2004
13.26 1.8 Larry Wade 1 Fort-de-France 24 04 2004
13.26 1.6 Ron Bramlett USA 22 10 1979 3r1 Lausanne 06 07 2004
13.27 1.6 Arend Watkins USA 23 10 1979 2sf2 Sacramento, CA 18 07 2004
13.28 0.6 Ron Bramlett 3sf1 Sacramento, CA 18 07 2004
13.29 -0.4 Redel駭 Melo dos Santos BRA 24 04 1976 1 Lisboa 13 06 2004
13.30 -1.2 Maurice Wignall JAM 17 04 1976 3 Osaka 08 05 2004
13.30A -0.7 Redel駭 Melo dos Santos 1 Cochabamba 30 05 2004
13.30 -1.2 Duane Ross 2qf1 Sacramento, CA 17 07 2004
13.30 -0.2 Duane Ross 1 Heusden-Zolder 31 07 2004
13.30 0.0 Duane Ross 1 Linz 02 08 2004


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