アテネ五輪全種目PREVIEW & 寸評
男子マラソン
世界記録 2時間04分55秒 P・テルガト(ケニア) 2003
五輪記録 2時間09分21秒 C・ロペス(ポルトガル) 1984ロス
優勝予想 2時間14分33秒 E・ワイナイナ(ケニア)
日本選手五輪最高順位 1位 孫 基禎 1936ベルリン
日本選手五輪最高記録 2時間10分55秒 宗  猛 1984ロス4位


●PREVIEW
テルガトとラドクリフに簡単に勝ってほしくない理由
 夏場のマラソン。しかも、起伏の激しいコース。スピードよりもまずは耐暑能力、次に前半の小さな起伏で脚を使わないか、そして勝負所でペースの切り換えができるかなど、器用さが要求されるレースなのだ。となれば、持ちタイムの3分差など無きに等しい。だからこそ、世界記録保持者のテルガト(ケニア)や女子のラドクリフ(英国)が絶対的な本命と推せないのだ。その2人が簡単に勝ってしまうようなら、今後の五輪マラソンの展望記事は書けなくなってしまう。
 ちょっと待て。もしも、その2人が勝ったなら、世界クロカンに複数回優勝しているという指摘ができる。そう、テルガトとラドクリフは起伏に対しては、すでに強さを実証済みなのである。
 話は戻るが(どこに?)、優勝候補はアトランタ五輪銅メダル、シドニー五輪銀メダルのワイナイナだ。先日、酒井勝充監督に話を聞いたら、なかなか状態は良さそうだった。暑さに強いことの他、上りだけでなく下りにも強いこと(長野マラソンで実証済み)を強調されていた。寺田としては、ワイナイナの集中力と神経の太さを挙げたい。佐藤コーチによれば、ワイナイナの五輪前の集中力は他のレースの比ではないという。それに、シドニー五輪のスタート地点で、記念写真を宗茂氏に頼んで撮ってしまうという行動は、誰も真似できないだろう。
 ワイナイナに対抗できるのはシドニー五輪&エドモントン世界選手権連続金メダルのアベラ(エチオピア)だが、最近はアキレス腱の故障などで途中棄権が続いている。昨年の世界選手権金メダルのガリブ(モロッコ)は、パリが平坦でかつ涼しい中でのレースだったため、起伏と耐暑能力への実績が十分とは言い難い。
●日本選手PREVIEW
 メダルもあり得ると思われる。実績で言うなら油谷繁(中国電力)が期待の一番手。国近友昭(エスビー食品)と諏訪利成(日清食品)はいまだ実績が福岡一発だけだが、その福岡が成長のステップとなっていれば、今回も期待できる。今回のトリオに限れば、オリンピックだからと動きがガチガチになることはないのではないか。根拠があるわけではないが、なんとなくそんな気がする。

2004年男子マラソン・パフォーマンス・リスト
2:06:14 Felix Limo KEN 22 08 1980 1 Rotterdam 04 04 2004
2:06:18 Evans Rutto KEN 08 04 1978 1 London 18 04 2004
2:06:48 Sammy Korir KEN 12 12 1971 2 London 18 04 2004
2:07:02 Jaouad Gharib MAR 22 05 1972 3 London 18 04 2004
2:07:06 Gert Thys RSA 12 11 1971 1 Seoul 14 03 2004
2:07:42 Jos・R茎 ESP 15 03 1974 1 Otsu 07 03 2004
2:07:43 William Kipsang KEN 1977 2 Seoul 14 03 2004
2:08:10 Mbarak Hussein KEN 04 04 1965 3 Seoul 14 03 2004
2:08:11 Tereje Wodajo ETH 27 01 1982 4 Seoul 14 03 2004
2:08:15 Bong-ju Lee KOR 11 10 1970 5 Seoul 14 03 2004
2:08:18 Tadayuki Ojima JPN 22 11 1976 2 Otsu 07 03 2004
2:08:33 Wilson Onsare KEN 15 06 1976 3 Otsu 07 03 2004
2:08:35 Samson Kandie KEN 20 04 1971 1 Wien 16 05 2004
2:08:36 Atsushi Sato JPN 08 05 1978 4 Otsu 07 03 2004
2:08:37 Stefano Baldini ITA 25 05 1971 4 London 18 04 2004
2:08:38 Frederick Cherono KEN 23 11 1977 1 Torino 18 04 2004
2:08:43 Daniel Njenga KEN 07 05 1976 1 Tokyo 08 02 2004
2:08:46 Satoshi Osaki JPN 04 06 1976 2 Tokyo 08 02 2004
2:08:54 Young-joon Ji KOR 15 12 1981 6 Seoul 14 03 2004
2:08:55 Patrick Tambw・COD 05 05 1975 1 Mont-Saint-Michael 20 06 2004
2:08:56 Kazutoshi Takatsuka JPN 08 08 1976 5 Otsu 07 03 2004
2:08:56 Ambesse Tolossa ETH 28 08 1977 1 Paris 04 04 2004
2:09:07 Michael Rotich KEN 26 10 1982 2 Rotterdam 04 04 2004
2:09:07 Tesfaye Tola ETH 19 10 1974 5 London 18 04 2004
2:09:25 Yuko Matsumiya JPN 21 02 1980 6 Otsu 07 03 2004
2:09:27 Benedict Kimondiu KEN 30 11 1977 3 Tokyo 08 02 2004
2:09:28 Yukinobu Nakazaki JPN 04 04 1979 4 Tokyo 08 02 2004
2:09:29 Alberico Di Cecco ITA 19 04 1974 2 Torino 18 04 2004
2:09:35 Benoit Zwierzchiewski FRA 19 08 1976 6 London 18 04 2004
2:09:39 Vanderlei de Lima BRA 11 08 1969 1 Hamburg 18 04 2004
2:09:42 Abdelkader El Mouaziz MAR 01 01 1969 7 London 18 04 2004
2:09:43 Tomoyuki Sato JPN 31 01 1981 5 Tokyo 08 02 2004
2:09:55 Shin-ichi Watanabe JPN 16 11 1976 7 Otsu 07 03 2004
2:09:56 Viktor Rthlin SUI 14 10 1974 1 Z・ich 04 04 2004
2:09:58 Lee Troop AUS 22 03 1973 8 London 18 04 2004


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