アテネ五輪3日目(8月21日)寸評 
女子100 mはネステレンコ
末續&岩水のパリ大活躍コンビも勝負所まで行けず

■決勝種目
・女子100 m
・女子円盤投
・女子七種競技

 やはりオリンピックはやってみないとわからない。女子100 mで優勝者と予想したアーロン(フランス)がまさかの準決勝落ち。右隣のレーンのネステレンコにリードされると、最後まで追い上げることができなかった。
 決勝は小柄で前傾姿勢の維持が長いウィリアムズ(米)がネステレンコをややリード。終盤でネステレンコが前に出たが、逆転できたのは両者の終盤の強さの違いで、全体で見たら3位に入ったキャンベル(ジャマイカ)の後半が一番速かったのではないか。
 女子円盤投はめまぐるしくトップが代わった。2回目にポスピシロワ(チェコ)が66m08でリードすると、3回目にヤトチェンコ(ベラルーシ)が66m17で逆転。そのヤトチェンコを同じ3回目に地元ギリシャのケレシドゥが66m68で逆転してトップに出ると、5回目にはサドワ(ロシア)が67m02でトップに立ち、そのまま逃げ切った。
 女子七種競技は予想通りクリュフト(スウェーデン)の圧勝。7000点には届かなかったが、2位に約500点の大差をつけた。相変わらず、競技合間の表情が豊かだった。
■日本選手
<男子>
・100 m1次予選 末續慎吾 朝原宣治 土江寛裕
・100 m2次予選 末續慎吾 朝原宣治
・3000mSC 岩水嘉孝
<女子>
・棒高跳予選 近藤高代
・七種競技2日目 中田有紀

 朝原・末續とも2次予選を突破できなかった。朝原がコメントしていたように10秒1台で2次予選は突破できるのが普通。今大会、特に末續の入った1組は、9秒台のベスト記録を持つ選手こそ2人だったが、10秒0〜1台という、日本選手レベルのスプリンターが多く、そこを勝ち抜けなかった。
 末續の10秒19は2次予選落選最高記録かと思って調べたら、そうではなかった。昨年のパリ世界選手権で10秒14(+0.6)のO・トンプソン(バルバドス)が落ちていたのだ。パリは4組4着取りで、今回は5組3着+1。同じ3着+1だった01年のエドモントン世界選手権でも、10秒15と17の選手が落ちている(風速計が故障したため公認記録ではないが、それほど風は吹いていなかった)。9秒8台がどんどん出ているわけではないが、10秒0〜1台の層は厚くなっている時代なのだ。
 という背景はあったが、末續・朝原がが力を出し切ったかというと、出し切れていなかったような気がする。それが、100 mという種目の難しさなのかもしれないが、末續が大会前から言っていたように、オリンピックを「運動会のような感覚で」走れていたかどうか。
 岩水嘉孝は残念ながら自身を、日本新で決勝進出を果たした昨年の世界選手権のときのような状態を作れなかった。昨年のパリ世界選手権で大活躍した末續と岩水、期待の2人が勝負所に行く前に姿を消してしまった一日だった。
 女子棒高跳の近藤高代は4m15。初の世界大会で4m30をクリアする力はなかった。
 七種競技の中田有紀はこの日最初の種目の走幅跳で2回ファウル。日本選手権でも同じように2回ファウルと追いつめられたが、3回目に6m41(+2.9)という大ジャンプをしていた。しかし、オリンピックという舞台は甘くなく、今回は3回目もファウルに終わった。しかし、最後の800 mまで気持ちが切れることはなかったようで、2分18秒46と自己記録に0.29秒と迫る記録で締めくくった。


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