2003/8/20 世界選手権パリ
日本選手、続々パリ入りB
室伏、転倒により右ひじを負傷
「明日の練習の様子を見て判断していきたい」(重信氏)
当初の予定より2日ほど遅れて、16:35着の日本航空便で室伏広治(ミズノ)が昨年のグランプリ・ファイナルを制した街、パリに入った。インタビューでは落ち着いた雰囲気で、以下のように話していた。
「暑いと聞いていましたが気温が下がってくれて、競技をしやすくなりましたね。なんとか感触をつかんで、予選に向かいたいと思います。(世界選手権に対しては)あまり慣れるような気持ちになるのはよくないので、新鮮な気持ちで臨みたい。(84m台を室伏の他にも2選手が出したことに関しては)ハンマー投のレベルが上がった。将来的には、世界記録を狙っていく選手も出てくることでしょう。楽しみですね。
(気持ち的には)自然と高まっていくと思います。(そのためには)自分の準備を怠らずにすること。終わって満足できるような取り組みができればと思っています」
しかし、その後に室伏重信氏に話を聞くと、驚くべき事実が明らかにされた。「これまでの大きな国際試合の中でも、一番楽しみですか」という、記者の問いかけに対し、「広治は何も話さなかったの?」という前置きのあと、次のようなコメントが続いた。
「右のひじを故障してまして。7月末に腰を痛めて、10日間ほど練習ができなかった。ヨーロッパ遠征の疲れが出たのかもしれない。練習を再開して、大雨の中で投げた際に転倒して、右のひじを痛めました。車を運転していていても(しびれが)出るくらいだった。左手だったら、出られなかったでしょうね。明日の練習の様子を見て、判断していきたい」
その後、日時的な部分を確認したところ、室伏が腰を痛めたのはウエイトトレーニングの最中で、転倒したのは練習再開をした数日後(8月15日近辺)。焦りがあって当然という状況だが、室伏自身の話しぶりは本当に落ち着いていた。それが何を意味していたのか、第三者が安易に推測できる部分ではない。
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