2003/9/1 世界選手権メダリスト3選手が会見
A野口みずき
「気持ちのいい朝を迎えました」
「距離を踏むことと並行して、スピードを付けていきたいです」
「帰国したら田村と話がしたい」
Q.一晩明けて、いかがですか?
野口 気持ちのいい朝を迎えました。
Q.ダメージはどうですか。
野口 もう、バリバリです。前腿(もも)とか。マメも両足にちょっとですけど、できています。でも、このくらいで抑えられたのは、三村さん(アシックス)のシューズのおかげです。あのコースは地面も石畳も、相当に来ます。足もひねりそうなくらいでした。前半は気になりませんが、後半はじわじわダメージが来ます。
Q.履いたシューズは一番軟らかめのもの?
野口 ちょっと硬めを履きました。サンモリッツ合宿中に監督が持ってきてくれたもので、20km走で試し履きをしました。ちょっと汚れてしまいましたが、サンモリッツの空気と一緒に走りたかったので。
Q.メダルはどうしていますか。
野口 ケースに入れて、枕元に置いて一夜を過ごしました。嬉しくて、シューズとメダルと一緒に持ち歩いています。
Q.夕食はどこで?
野口 夜中の2時頃までやっているレストランで。
Q.たくさん食べましたか。
野口 はい。監督とお酒も飲みました。ビールとワインですが。
Q.お酒はいつ以来ですか。
野口 いつ以来なんでしょう、忘れちゃいました。合宿の間は飲んでいませんから。まぐろの刺身もいただきました、お寿司なんですが。
Q.何人前ですか。
野口 わかりませんが、多くて、でもほとんど1人で食べました。
Q.デレバ選手の強さはどう感じましたか。
野口 強かったですね。切り換えがすごくて。
Q.スパートされたのは上りきってから?
野口 上りの最中でした。
Q.予想していなかった?
野口 だいたい予測していました。30〜35kmでかけてくるだろうと。でも、対応しきれませんでした。上りで、結構(脚に?)来ていましたから。でも、その辺では差を縮めようと頑張っていましたが、17秒差になったと聞いてからは、後ろのことが気になり始めました。
Q.17秒とはどのあたりですか。
野口 サンドニのスタジアムが見え始めた、36〜37kmの直線です。秒差は沿道から教えてもらいました。逆に自分が通り過ぎた後に起こる拍手の間隔が、短くなったような気がして。ずっと後ろが気になっていました。トラックに入って、もう大丈夫だと思いましたが。
Q.後ろを振り返りましたか?
野口 2回、振り返りました。車や警察のバイクがいて見えませんでした。状況がわからず夢中で走りました。
Q.大阪(今年1月の大阪国際女子マラソン)のときも不安で振り返った?
野口 大阪では後ろは振り返りませんでした。逆に、トラックに入ってからでしたね、振り返ったのは。今回は大きなチャンスでしたから。3番手は絶対に日本人だと思っていたんです。絶対にここで(アテネ五輪代表を)決めたいと思っていました。
Q.10月の世界ハーフに出場しますか。
野口 まだ、先のことは話し合っていません。私としては、うーん。今走ると故障しそうなんですが、行きたい気持ちもあります。今回は、抑えないといけないかもしれません。
Q.ラドクリフ選手と世界ハーフで、高橋尚子さんとも札幌ハーフで一緒に走ったことがあったと思います。そのとき、そのときで野口さんの状態も違うと思いますが、3人の強さに違いを感じますか。
野口 デレバさんとラドクリフさんは、スパートの仕方などが思い切っていくタイプ。逃げてるな、と強く印象づけられました。高橋さんには最初から引き離されて、なんとも言えない積極的な走りで、とにかく強いと思いました。
Q.そういった3人と戦うためには?
野口 スピードです。もっとつけないといけません。スピード持久力ですね。距離を踏むことと並行して、スピードを付けていきたいですね。
Q.そのためにはハーフが最適?
野口 トラックもハーフも、安定した力で走ることが必要です。
Q.1万mは見ましたか。何人かマラソンをやる選手もいましたが。
野口 はい、見ました。30分台で走るケニア、エチオピアの選手でマラソンを走っていない人も多く、その人たちがマラソンを走ったら、すごい記録が出るんじゃないかと。自分も30分台で走らないと。
Q.日本に帰国したら、何を一番したいですか。
野口 えーー、なんだろう。いっぱいありすぎて……。やっぱり同僚の田村(育子・1500m日本記録保持者)と話がしたいです。いつも励ましてくれている同期なんです。
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