2003/8/30 世界選手権第8日
油谷のレース後コメント
「ずっとメダルが目の前にあったのに」
「スパートされたときはちょっと虚をつかれた感じ」
「前回の5位よりも手応えを感じた5位です」

■最初の一言
「進歩がないですね、同じ5位です。(手応えは)ありましたね。3位まで届くと思っていたのですが。35kmを過ぎて(正確には36.5km付近)、バルディーニ(伊)に追いついて、この3人でケニア選手に追いつけると思ったんです。ずっとメダルが目の前にあったのに、届きそうで届きませんでした。今はとりあえず、終わったな、という気持ちです。悔しさは後から出てくると思いますが、今は無事に走り終えた安堵感の方が大きいですね」
■レース展開について
「序盤、極端にペースが落ちたりしていて、凱旋門あたり(16km付近)では、走りにくかったので前に出たんです。自分のペースでした。(ガリブに引き離されたところは)ペースが上がったり落ちたりしていたところで、ちょっと虚をつかれた感じです。スペインの選手(レイ)は知っていましたが、モロッコの選手は見たことがなくて。後ろも、本気で追いかけるのでなく、のんびり追いかけようという雰囲気でした。バルディーニなんかも、たかをくくっていたんじゃないですかね。しばらく追っていて、“これは逃げているな、しまった”と思いましたけど。
(もしも最初からついていったら)勢いに乗ったかもしれませんが、それは言っても仕方ありません。スタジアムへの直線では、先頭は見えませんでしたが、ケニアには追いつけると思いました。イタリア選手2人と僕ともう1人(タイソ・ポルトガル)で、追いつけると思ったんですけど。でも、最後は力負けです」
■前回の5位との違いについて
「今回はメダルを狙っていました。オリンピックを狙っていたんです。今回の方が届きそうだと感じていましたが、なかなか難しいですね。でも、感触としては、絶対に取れない、というものはありません。やれば取れると。
 充実感も今回の方がありますね。タイムも思ったより良かったですし、3位とのタイム差も思ったより小さかった。前回はびわ湖で日本人1位(2時間07分52秒)となって、いきなり世界選手権に出場したイメージでしたが、今回は(精神的にも)準備がしっかりできました。練習も充実していましたし、今回の方が注目される立場で、その意味でも充実感はあります。
 メダルは本当に届く範囲にあると思います。あとは勝負の流れと、……と(この部分、聞き取れず)」
■自信となったこと
「(レース前から体が軽く)危ないと思っていましたが、前半、前に出ても何とも(その後への影響は)なかったと思います。逆に、自分のペースで走ろうという意識が強くなっていたように思います。世界大会で引っ張れたことは、今後の自信につながると思います。涼しさもありましたが、ペースメーカー不在で9分台が出せるなら、いつでも10分は切れると思います。清水さんには悪いですけど、(団体の金メダルは)中国電力で取ったようなもの。それは正直、嬉しいです。同じチームで3人選ばれたことが、結果的にはよかった」
■五輪選考会へ
「世界選手権は上手くいったら、というつもりでメダルを狙っていました。もしもダメだったら気持ちを国内の選考会に切り換えようと。チャンスが2回あると考えるようにしました。次は選考会になるので、次も順位重視です。今回は練習が完璧にこなせました。そのことに、冬のレースということをプラスして、乗っかって行きます。実績面では有利になったので、あとは勝てればいい。勝つレースをしたい」


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