2003/8/26 世界選手権第4日
2年後の銅メダリスト@
為末、予選後のコメント
「決勝に立たないことには、負い目になってしまいます」
「気持ちが負け犬になってしまっています」
「ちょっと混乱しましたが、1回死んだ身ですから、思い切って走ります」

●予選直後の通過できると仮定したコメント
「ギリシャの選手(イアコヴァキス)とエリック(トーマス・米)には行かれると思っていました。ディアガナ(仏)との勝負でしたが、彼も粘りがありますからね。最後で、誰かと競れればと思っていたのですが。
 (1レーンは)今年のタイムが遅いですから、仕方ありません。ディアガナが地元なんで、外側に入れられるでしょうから。6台目で振られてしまいましたね。本気で飛ばせば300まではエドモントンのペースでは行けると思います。今日はまだ、アクセルを踏んだり離したりの繰り返しでした。4位だけは避けたかったですけど、速い組に入れられてしまいましたから、仕方ありません。
(現時点での走りは)明日、完成する予定です。最悪の状態からは抜け出しつつあります。ようやく自分の力感と、実際のタイムがすり合うようになってきました。決勝まであと1本しかありませんが、2年間おいた意味を、その間の積み重ねを出したい。やっと戻ってきた感じがしますから。
 (修正してきたのは)バネっぽく、動物のような走りをすることです。小綺麗になっていた走りを崩して、時間がなくぶっつけ本番ですが、いい方向に来ています。5台目までの13歩が決まれば、なんとかなると希望的な観測を持っています。今はまだ3〜4台で終わっていますね。今日は3・4・5・6台と抜いたような感じで(Aでタッチダウンタイム掲載)。明日は息継ぎをしないで行きます。
 2年前は気づきませんでしたが、みんな予選からかなりアップをしていますね。1つミスをしたら落ちてしまうからでしょう。2年前は決勝に合わせていましたが、今回はそんな余裕はありません。準決勝に合わせています。決勝に立たないことには、負い目になってしまいますから。(決勝で)勝負できないにしても、同じ立場にはなっておきたい」

●予選落ちが決まった直後のコメント
「失敗です。作戦ミスです。(準決勝のため)というのもありますが、残らないことには意味がない。ピーキングを今日に合わせれば48秒台で走れたと思いますし、今日の走りは力を抜いたわけではないのですが、失敗です。49秒5くらいで予選を通過することを想定していました。全体が速かったですね。作戦ミスと実力不足です。力があれば、最後に抜くこともできたはずですから。
 8割9割の力で戦える相手じゃなかったんです。100%で臨んで初めて、勝負になる。
 すぐにオリンピックに気持ちを切り換えられるかわかりませんが、何はともあれ、オリンピックに向けて頑張ります。(アメリカには)何回か行くと思いますが、4年に1回の大会なので、今までの積み重ねを重視して、日本でじっくりトレーニングをします。そっちの方がいいと思います。
(もう1回やり直したい気持ちは)ありますけど、気持ちが負け犬になってしまっています。負ける状態にいたのかなと思います。
(今後は)スーパー陸上に出ます。本音を言えばきついですけどが、このまま終わるのでは悔しいですから。なんとかしないと。
(シドニー五輪のときのような負の感情は)ありますね。あるといえば、あります。今年の最大目標は終わって気が抜けましたが、やっぱりオリンピックです。フェリックス(・サンチェス)にも“今に見てろよ”という気持ちです。そういう職業なんです。どれだけ練習したからといって、言い訳にはなりません。どれだけ速いか、なんです」

●準決勝進出が決まった時点のコメント
「色んなことがありますね。でも、準決勝を走れるのは大きいですよ。精一杯走ります。具体的にタイムをどうこうというのはありませんが、(48秒台)真ん中くらいでは走れるんじゃないですか。思ったより全体が速いので、どういうレースになるか想像がつかないのですが、前半から飛ばしますよ。300mまでは行けると思います。
 通過を知ったのはサブトラックでダウンが終わったとき。帰ろうかというときに、ケン坊(吉沢賢)が自分の順番を数えていたら、僕が9番(プラスが9人)になっていて、アレ?ということになりました。そしたらイボンさんが(金沢イボンヌ)『アメリカの選手が1人、失格になったよ』と教えてくれました。
 ダウンのジョッグをしながら、自分なりに気持ちを整理していたので、通ったとわかったときはちょっと混乱しました。それももうスッキリしましたし、1回死んだ身ですから、思い切って走ります」


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