2003/8/23 世界選手権第1日
岩水、3000mSCで23年ぶりの日本新
&31年ぶりの決勝進出

「日本記録はいつかは破ってやろうと思い続けていました」


岩水嘉孝コメント
「イメージ的には日本選手権と一緒でした。通過タイムも一緒で、最後に競って記録につながったんだと思います。今日は、自分にとってベストペースでした。積極的に(前に)出ることができ、精神的にも成長したと思います。決勝進出と日本新記録を目標にしていましたから、本当に、思い通りに運べた感じです。
 日本記録は自分が生まれて間もない頃に出た記録で(翌年の80年)、大記録と思っていましたが、いつかは破ってやろうと思い続けていました。これで、日本でも3000mSCが注目されるようになるといいのですが。
 8月の7日から19日まで、サンモリッツで高地練習をして、順調でした。結果を出すために1日1日を大切にしてきました。ここまでのプロセスが大切だったと思います。そういう意味では、失敗しても力を出し切れたら、悔いは残らなかったと思います。
 今年は春先から、駅伝よりも3000mSCだけをやればいいと言われてきました。ロードよりもスピード練習を多くやって、ハードルの技術もよくなりました。記録はまた、出せますよ。
 ケニア選手も人間ですから、調子が落ちることもあります。自分が100%の力でこの試合に臨めば、勝てないとも限りません。それに、今日は会社の方や、姉と妹も来ていましたから、いつもは失速する終盤で力が出たのかもしれません。
 決勝はしっかり調整して、頑張りたい」

横道正憲監督コメント
「本人が世界選手権代表に決まって、ものすい集中力を見せました。練習中の目つきとか違いましたよ。この2カ月、いい練習ができました。それに、日本選手権前から標高の高いところで、練習が継続してできていますしね。試合前の状態は、日本選手権のときよりよっぽどいいですよ。いいペースで進めば日本記録も出せると思っていました。同じ組の選手のベストタイムを見て、決勝は厳しいかなとも思いましたが、日本新を出せば行けるのではないか、とも本人と話しました。
 トップに出たのは、ヨーロッパの選手はキックがありますから、長めのスパートをかけないと勝てません。本人も今日のペースを正確に予想していたわけではないのでしょうが、レースの中で先にかけた方が得策だと判断したのでしょう。本番に強い子ですね。
 高地練習は日本選手権前に菅平と横手山(群馬と長野県境にあり、標高2300mくらい)、ヨーロッパ遠征後に再度、菅平と横手山で高地合宿を組みました。そして最後がサンモリッツです。ヨーロッパでは2000m通過が5分30〜35秒のレースを経験しました。レベルの高い選手のいる所で、感じることもあったのだと思います。ハードル技術も違いますし、ヨーロッパに行ったことで3000mSCへのやる気も増したみたいです。
 反省点は中盤で集団の後方に下がりすぎたこと。一番後ろから前に行きましたから、あそこを3番目くらいからポーンと行けば、スパート直後に差をつけることも可能でした。そういった状況でも、最後の前の1周を引っ張って62秒でした(水濠が内側にあるトラック)決勝は面白いですよ。ケニア勢が飛ばして、それについたヨーロッパ勢が潰れれば、面白いレースになると思います。注目されるほど、力を出す子ですから」


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