2003/9/22 スーパー陸上前日会見
男子ハンマー投編
「ファイナルから帰国後は、いつも通りに練習ができている」(室伏)
「病気で練習が十分ではないが、世界チャンピオンとして恥ずかしくない試合を」(ティホン)

Q.(代表質問)現在の調子と、今大会の抱負、来年のアテネ五輪の抱負をお聞かせください。
室伏広治 ゾンバトヘイで行われたファイナルから帰国して、いつも通りに練習をしてきました。世界選手権前はケガとかで追い込んだ練習ができませんでしたが、スーパー陸上は国際試合としては今季最後なので、世界選手権で活躍した各国の選手も集まりますし、いい試合ができればと思っています。
 今年は84m台を、自分を含め3人の選手が出しています。かつてないレベルの高さで、80年代のセディフ(ソ連)&リトビノフ(同)とまではいきませんが、それに近い戦いができています。この種目の発展という意味では、明るい材料です。来年は今年以上にレベルが上がり、85m以上を出す選手も出てくると思います。
 (その状況で)自分にできることは自分を研くこと。持ち味を出すことがいい結果につながると思っています。
イワン・ティホン 実は、ゾンバトヘイのファイナルの前に肺炎になってしまい、病気のままファイナルに出場しました。今は治療もして競技はできますが、練習が十分にできませんでした。調整はしてきたつもりですが、どんな状態なのかなんとも言えません。
 今、ハンマー投は80m(84m?)以上のスローワーが揃い、これまで以上に伸びています。室伏選手は今季、84m以上を投げて、驚いていますが、技術的に高く評価しています。私も似たようなテクニックを持っています。他の選手にも、室伏選手と同じテクニックを持つ選手も出てきています。私たちの中で、今以上の記録を出す選手が出てくると思います。
 明日は今季最後の国際試合です。一流のスポーツ選手として、世界選手権チャンピオンとして、恥ずかしくない記録を出したい。私は初めて参加する試合ですが、友人たちから、オーガナイザーがとてもよくしてくれる大会だと聞いています。
 アテネは3人のトップ選手の争いになるでしょう。1人は、ここにいる室伏選手で、2000年から安定して80mを越えています。2人目は、2002年以来いい記録を出しているアヌシュ選手(ハンガリー)、そして3人目が、今季世界を制した私です。安定した力を維持して、来年へ向けて切磋琢磨していきたい。また、他の選手が3人の中に入ってくれば、よりよい記録が出る可能性があります。
Q.室伏選手のケガの具合は、どんな状態ですか。また、室伏選手から見た、ティホン選手のいいところは?
室伏 世界選手権前は深刻でしたが、今は良くなって、普通に投げられます。ケガの心配はありません。ティホン選手を初めて見たのは、アテネの世界選手権(1997年)で、自分は初めて決勝に残ったのですが、ティホン選手も決勝に残って、父(室伏重信氏)と素晴らしい選手だと話していました。フォームも素晴らしかったですし。その後、かなりの期間、力を出していなかったので、不思議に思っていたこともあります。
 (現在のコーチの)リトビノフさんとの二人三脚が息が合って、記録に結びついたのでしょう。自分もリトビノフさんに教わったことがあって、一流の感覚というようなところで、共通点もあるように思っています。
Q.リトビノフ氏にいつからコーチを受けるようになって、何が一番変わりましたか。
ティホン 当初は電話で相談に乗ってもらっていましたが、技術指導を受けるようになったのは2001年の終わりからでした。2002年の2月から、より教えてもらうようになり、実際に会って指導を受けるようになったのは、2002年8月のヨーロッパ選手権後です。
 それまでの技術を大幅に改善しました。かなりの変更をしましたが、まだ完璧ではありません。それが改善できれば、もっと記録は伸びると思います。


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