2003/4/20
女子砲丸投、森が17m53の日本新!!
男子砲丸投・野口が復帰戦で17m44
1500mでジュニアの三津谷が好走
兵庫リレーカーニバル全体的な記事
仕入れたちょっとした情報を盛り込みつつ

 昨年は跳躍2種目が行われた兵庫リレーカーニバルだが、今年は看板種目の中・長距離種目と、投てき3種目に絞られ、それが結果的に上手くいったように感じられた。
 最初の日本グランプリ種目である女子砲丸投の2投目で、森千夏(スズキ)が17m53と自己の日本記録を14cm更新。豊永陽子(健祥会)が16m43、市岡寿実(国士舘ク)が16m41と国士大の先輩2人も悪くなかったが、森に1m以上の差を付けられてしまった。同大の青山利春先生によれば、市岡も期待できる状態だった。オーストラリアで16m61も出しているし、筋力面では森を上回っている種目も多いという。今回は結果には結びつかなかったが、豊永との2人目の17mプッター争いが楽しみになってきた。

森の試技内容
16m61−17m53−17m39−16m56−F−17m36

森コメント
「今日は構えに入ったとき、サークルの1mくらい先、やや遠くを見るようにしました。顔を残したままグライドからスタンドに移るためです。そうしないと、早く左足を引くことになって、リバースのときに体が突っ込んでしまいます。それが出てしまったのが1投目ですね。この意識は以前から持っていましたが、中国でも確認できました。3月に行ったときはまた別のポイントを言われました。それは左足を早く着くということ。グライドして実際は右・左の順で足を着きますが、意識の中では左・右の順でやっています。着き方も、つま先からではなくフラットに入り、着いたらすぐ回すんです。今はまだ、できていませんが」

 投てき種目は女子砲丸投が14時、男子円盤投が15時、同砲丸投が16時と、1時間刻みの開始で、見る側にとってはフィールドの複数種目同時進行がなく、見やすい配慮がされていた。天候は小雨だったが肌寒さと風はなく、悪いコンディションではなかった。ただ、長距離種目にはまとわりつくような湿気がマイナス要因となった。
 男子円盤投も畑山茂雄が53m79。オーストラリアで55m45のセカンド記録を投げていただけに期待も大きかったが、まずまずの出だし。昨年52m87と日本リスト2位、期待の與名本稔(東海大)は49m38で日大・東海大に続いていまひとつ。
 男子砲丸投ひじの手術で昨年の日本選手権以後試合から遠ざかっていた日本記録保持者の野口安忠(九州情報大ク)が、17m44と復帰戦としてはまずまずの記録で優勝。野口のカムバックの話題に隠れてしまったが、村川洋平(筑波大)も17m29と自己記録を1cm更新した。

野口コメント
「手術は2000年の冬に1回、昨年2回しました。まだ、外の3本の指にはしびれがあり、投げの練習をやるにしても20本が限度です。以前も、多くて30本でしたけど。いい投げではありませんでしたし、痛いところもいっぱいありますが、目一杯投げてもOKという感じでした」

 男子中距離&3000mSCの優勝記録は、期待を下回った。800 mの笹野浩志(富士通)が1分50秒36、1500mの辻隼(ヤクルト)が3分46秒51、3000mSCの岩水嘉孝(トヨタ自動車)が8分36秒64。シーズンの深まりとともに記録が上がっていけば、この日の記録も問題ではなくなる。そうなる種目がいくつあるか。
 オッと思わせたのが尽誠学園高からトヨタ自動車九州に入社した三津谷祐で、3分46秒80の自己新記録で、高校時代同様ラストの強さを見せて2位に食い込んだ。

三津谷コメント
「プログラムを見たら自分の持ちタイム(3分48秒42)は一番下。付いていけるところまで、ガムシャラに付いていこうと思いました。1200mまでは全力で付いていき、ラスト300mは意地で走ろうと。
 それが、ラスト300mを切ってから思ったより脚が動いて、ラスト200 mから追い上げることができました。記録的には日本選手権の参加標準記録の3分45秒が目標でしたが、2位にはびっくり。ホームストレートで有名選手を抜いていたときには、正直、距離を間違えたかな、と思いました」

岩水コメント
「3000mSCは初戦ですが、キレがなかったという印象です。一発目ですから、こんなものかな、とは思いますけど。B標準(8分30秒30)が目標だったので残念ですけど、甘くありませんでした。
 去年、アジア大会で銀メダルを取っていますから、今年はそれ以上の結果を出したい。世界選手権の出場資格がないので、今はあまり言えませんが、出られたら決勝に進みたい。
 次は織田記念の5000m。次の3000mSCはもう、日本選手権になると思います」

 女子800 mは杉森美保(京セラ)が疲れが貯まってそれが腰に出ているということで欠場。日本記録保持者の西村美樹(東学大)が2分05秒02の大会新で優勝した。この冬も2度ほど右足首を捻挫して完調とはいえないが、アグレッシブな走りが戻ってきた。
 女子1万mはスローペースとなり、市川良子(テレビ朝日)の勝ちパターンに。市川は昨年すでにA標準を切っているので、ラストに強い市川の武器を封じるには今後、他の選手はハイペースに持ち込む必要がある。
 女子200 mは松本真理子(福島大TC)、100 mHは池田久美子(スズキ)と福島大・川本監督門下生が優勝。
 最終種目の男子1万mはジュリアス・マイナ(アラコ)が27分48秒22で優勝。来日第1戦のマーティン・マサシ(スズキ)が自己新記録の27分48秒86で続いた。ケニア・ニャフルル出身の17歳だ。6000mでいったん遅れかけた松宮隆行(コニカ)だが、すぐにリズムを取り戻して終盤は積極的にレースを引っ張る場面も。世界選手権A標準に、最後はあと一歩及ばなかったが、27分50秒97の日本歴代12位をマークした。


男子1500m
男子1万m
女子800 m
は、独立した記事にするか、コメントを紹介する予定(あくまで予定ですが)。


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