2003/2/23 横浜国際女子駅伝
近畿選抜3区、大体大1年生の堀岡が好走
エゴロワを抑え区間2位

 前半3区までを3位と、日露以外の各国ナショナルチームを従えるポジションを走ったのが近畿選抜。その立て役者は2区10kmの池田恵美(立命大)と3区6kmの堀岡智子(大体大)という大学1年生コンビだった。池田は立命館宇治高3年時に1500mで高校新、インターハイ1500mと国体3000mで優勝するなど華々しい戦績がある。2区で区間3位(32分03秒)の好走に「10kmも走れるようになったか」と多くの関係者が思ったとしても、驚きはなかった。
 9位から3位に順位を押し上げた池田の後を受けた3区・堀岡は、2位・ロシアとの差を詰めて行った。結局、抜くことはできなかったが、19秒あった差を14秒に。いかに不調とはいえ、世界選手権5000m金メダリストのエゴロワ(ロシア)との差を縮めたことは、驚きだった。

「走っている間、自分としてはそんなに速いペースとは思いませんでしたが、でも、動けていたのかもしれません。前を走っている選手がエゴロワさんとは知らず、抜かそうと頑張ったら差が縮まった、という感じです。あとで有名な方だと聞いて、ビックリしました」

 19分08秒は日本チームの大山美樹(三井住友海上)に6秒差の区間2位。区間3位のエゴロワを5秒、1月の大阪国際女子マラソンで初マラソン世界歴代2位(2時間21分51秒)を記録した坂本直子(天満屋)を17秒上回った。

「(1年前の)全国高校駅伝の1区が同じ6kmで19分46秒(区間5位)でしたから、タイム的にもビックリしています」

 大阪・四条畷学園高3年時の堀岡の戦績をざっと紹介しよう。
●日本ジュニア選手権5000m2位
●インターハイ3000m8位
●全国高校女子駅伝1区・区間5位
●ベスト記録
 1500m 4分26秒86
 3000m 9分17秒54
 5000m 16分08秒05


 3000mは高校1年時に9分23秒47で走っているので、その後の2年間で約6秒しか記録を伸ばしていない。その代わりというわけではないが、高3時には5000mを16分16秒未満で3回走っている。なんとなくタイプが想像できそうだが、実際に取材してみると違っていることもあるので、具体的に記述するのは控えたい。

 昨春大体大に入学し、豊岡示朗監督のメニューをこなすようになった。

「大学に入って男子と一緒に練習する機会が増えたんです。引っ張ってもらうことも多くなり、距離も踏むようになりました。練習が合って、伸びたのだと思います」

学生になってからの主な戦績は以下の通り。
●日本ジュニア選手権5000m欠場
●日本インカレ1500m10位、5000m3位
●ベスト記録
 1500m 4分28秒3
 5000m 16分00秒8


 そして、横浜国際女子駅伝前週の●千葉国際クロスカントリーではジュニアの部2位。3月27日生まれの堀岡は、年が明けてもジュニア資格があるのである。

「今年はまず、ジュニアですが世界クロカンの代表に選ばれたい。トラックでは15分台がまだ出せていないので、まず15分台を出し、15分45秒くらいまでは行きたいです。1万mはまだ走ったことがないのですが、32分台を出せればいいですね」

 世界クロカンでは8位入賞の可能性があるだろう。トラックでは5000mの15分40秒前後、1万mなら32分台前半は出てもおかしくないように感じた、2月の堀岡の快進撃だった。


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