2003/1/26 大阪国際女子マラソン
トラックのスピード、この1年の試合実績から
ブレイクが期待された田中だったが……

 99年世界選手権・00年シドニー五輪5000m代表の田中めぐみ(あさひ銀行)は、昨年3月の名古屋で初マラソン。2時間28分10秒で3位に入り、夏の北米遠征では4年ぶりに1万mで自己新記録(31分42秒74)、そして12月の全日本実業団対抗女子駅伝では5区区間賞。今回のマラソンに向け、田中めぐみにはプラス材料しかないように思えた、試合での成績を見る限り…。
 しかし、中間点を過ぎると先頭集団から遅れ始め、フィニッシュでは7位(日本選手5位)。日本選手4位の小崎まり(ノーリツ)とは6分27秒もの大差を付けられ、辛うじて2時間30分を切った(2時間29分57秒)。
「21kmまでは結構いい感じだったのですが……速かったんでしょうかね。最初から、勝負に行きたいと思っていたので、タイムが速くても付いていくつもりでした。ハイペースで入っても勝負できるようにならないといけませんね。これからもマラソンをやっていきたいと思いますが、世界選手権はトラックで狙います」

 田中はレース前々日、共同会見で「精神面を鍛えた」と話したことの詳細を質問され、次のようにコメントしていた。
「2年前に一度、中国で合宿をしましたが、そのときの印象があまりにも強烈だったんです。生活があまりにも違って…。トイレのドアがなかったり、埃っぽかったり、人や自転車が多かったり…。絶対にもう来ないと思いました。でも、マラソンをやるには、そういうイヤなことをやらないと、ダメだと。イヤなことに耐えてみようと考えました」
 田中がそう判断し、実行したのは紛れもない事実。しかし、会見の時から練習内容についてのコメントが、他の選手に比べ少なかったのが気になった。「調子は…、悪くはありません」「最低でも自己新を」等々、やや弱気にも感じられた。
 本人やコーチは話していないが、マラソンを精力的に取材しているある記者からの情報によれば、練習は不満の残る内容だったという。世界選手権をトラックで狙うとなると、次のマラソンはアテネ五輪選考会(世界選手権も選考会だが)。オリンピックを狙うのであれば、一発に賭けることになる。


大阪国際女子マラソントップ
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