2003/6/5 日本選手権
WEB版種目別注目ポイント
男子投てき&十種競技編
砲丸投は日大勢の連勝が続く?
円盤投の畑山は練習の記録を上回れるのか?
ハンマー投は「素敵?なサークル」
やり投は村上の標準突破と学生同士の2位争いに注目
■砲丸投
ひじの手術から復帰した日本記録(18m53)保持者の野口安忠(九州情報大ク)が、17m44で兵庫を制した。野口は九州実業団でも17m48と3cmだが記録を伸ばした。
昨年の優勝者である畑瀬聡(日大)は、野口の後輩(福岡県&日大)にあたる。昨シーズン終了後にヒザを手術し、関東インカレは16m65で3位。日本選手権に間に合うかどうか。
<<兵庫リレーカーニバルで2位の村川洋平(筑波大)も、17m29と自己記録を更新して好調そう。>>と陸マガに書いたが、関東インカレのときに話を聞くと、兵庫は失敗投てきだったという。それでいて自己新なのだから、地力は上がっている。ところが、関東インカレでは16m76で2位と「?」(仙台に行く新幹線の時間の関係で、理由を聞いている時間がなかった)。日本選手権前も教育実習があって、若干の不安を残しての本番となる。
4年生の村川、3年生の畑瀬に代わって関東インカレを制したのは、2年生の大垣崇(日大)で、自身初の17mプット(17m07)。野口は学生時代はグライド投法で、野沢具隆は学生時代に17mは投げていない。ということは、大垣は回転投法学生最高記録ということになる。
岡野雄司が日本選手権に優勝、または日本人トップを取り始めたのが1989年から。岡野が8年連続し、その後、野口(97年から6連勝)、畑瀬(昨年)と日大勢が優勝し続けている。野口、畑瀬、大垣と3人候補がいるので、今年も連勝が続く可能性が高い。
■円盤投
<<3月末に畑山茂雄(ゼンリン)が55m45と、セカンド記録を豪州遠征でマーク。53m79と記録は落ちてしまったが、兵庫もきっちり優勝した。同学年のライバル中林将浩が昨年から試合に姿を見せず、昨年52m87の與名本稔(東海大)は今季出足が悪い。昨秋、52m台の自己新をマークした藤原潤(八千代工業)がよほど頑張らないと、畑山の4連勝があっさり決まってしまう。畑山が自己記録の56m18を伸ばせるかどうかが、焦点になりそうだ。>>と陸マガに書いたが、その後、大きなニュースはない。
国士大の大学院に入学した保田豪が関東インカレ2部で51m46を投げたことくらい。畑山は東日本実業団で54m85の大会新。6投すべてが53m以上という安定感を見せたが、練習で投げている57〜58mはまたもやお預け。客観的に”連勝の価値が低い”種目を決めることはできないが、畑山自身は“連勝だけ”では価値が低いと思っているに違いない。
■ハンマー投
<<室伏の9連勝は決定事項。今日本選手権で最も世界的に通用する記録が生まれるはずだ。記録更新が難しいレベルに達しているとはいえ、過去に2度、日本新を出している相性のいい横浜のサークルだけに、83m47のアジア記録更新も期待してしまう。
2位候補筆頭は、静岡国際で自己記録を更新した土井宏昭(ファイテン)。今春から中学の教員となった海老原亘が、春の試合に姿を見せていないが、どんな状態で出てくるか。その状態次第で、土井との2位争いとなるか、碓井崇(イースト)、平尾茂(日亜化学)、鈴木隼人(静岡陸協)らとの3位争いになるかが決まる。>>と陸マガに書いたが、その後、室伏は5月24日の中京大土曜記録会に出場。MTC(ミズノトラッククラブ)サイトから転載すると、
<<●5/24 中京大土曜記録会・室伏広治(ハンマー投)−1位(82m67)
6回の試技は78m81−80m62−81m07−82m64−82m67−82m04。
今季の室伏は3戦連続で82mをオーバー。ヨーロッパのシーズンが本格化していないとはいえ、世界リスト2位のアンヌシュ(ハンガリー)の記録(80m94)を全ての試合で上回っている。>>
とのこと。
土井宏昭は東日本実業団に70m68の大会新で優勝したが、優勝会見で「横浜は素敵なサークルですから」と日本選手権に期待を抱かせるコメント。日本人選手2人が70m以上を記録した試合は何回かあるが、ともに70m以上で自己新というのは、過去にあっただろうか。
◎世界選手権標準記録突破者
A:83m33 室伏広治(ミズノ)
■やり投
<<アジア大会銀メダルの村上幸史(スズキ)は昨年12月、左脛骨疲労骨折治療のため手術に踏み切った。現在もボルトの入った状態だが、水戸国際では78m98と自己2番目の記録をマーク。一昨年の秋以来の全助走にもトライするなど、痛みは気にならなくなった。村上の3連勝は、よほどのことがない限りは決定的。焦点は、80m80のB標準突破がなるかどうか。成功すれば即、世界選手権代表決定となるだろう。
2位は水戸で73m台を記録した山本一喜(中大)が有力だが、昨年2位の白岩志朗(紫郊ク)らベテラン勢も黙ってはいないだろう。>>と陸マガに書いたが、補足するとすれば、村上はB標準ではなくA標準の83m50を投げる気でいること。
新たな動きとしては藤原康喬(大体大)が73m91と、自己記録を1m67cm伸ばしてきたことが挙げられる。山本が昨年出したベストは74m05なので、2人の差はわずか14cm。今季の記録では山本を89cm上回っている。ユニバーシアード代表争いが面白くなってきた。
■十種競技
明らかに陸マガのDNAを受け継いでいる「KUMA's STYLE」の日本選手権展望記事を参照(ところで、DNAって正確には何の頭文字でしたっけ?)。
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