2003/6/8 日本選手権
最終日全種目の懺悔とちょっと戦評。一部は記事に近いか? 女子トラック
西村がB標準に迫る日本新!
小坂田は58秒13のセカンド記録&出産後自己最高
女子200 m
予想が的中して、新井初佳(ピップフジモト)が6連勝を達成。2位との差が0.17秒と100 mの0.18秒よりも小さかったのは、ちょっと予想外だった。新井が「100 mは記録狙い、200 mは連勝を意識」したことと、相手選手の調子などからこのような結果となった。女子短距離2種目6連覇という史上空前の快挙を成し遂げたのだが、本人はいたって自然体。
女子800 m
西村美樹(東学大)が2分02秒10と、自己の日本記録を0.13秒更新した。松島朋子(UFJ銀行)を予想した優勝者予想も、3%とした日本新確率も、ものの見事に外した種目。というのも、西村の冬期練習が完全ではなかったと、兵庫リレーカーニバルの際に本人から直接聞いていたからだ。その兵庫では、400 mを今回同様59秒台で入り、後半は失速して2分05秒02。静岡国際、関東インカレと2分6秒台で、持ち直すのは夏以降かな、と感じていたからだ。
こちらの予想を上回る復調ぶりを見せた西村を、称えるしかない。ただ、1つだけ自慢をすると、独走する西村と2位とのタイム差をすかさず計測した。400 mで1秒8あった差が、600mでは1秒3にまで松島に差を詰められた。昨年までラストのキックで2連勝をしている松島が追いつくかとも一瞬思われたが、西村がそこから頑張って差を広げた。
高校時代の日中対抗室内横浜大会で、初めて見た西村に衝撃を受けた。前半から積極的に飛ばし、最後の100 mで中国選手に並びかけられてから、再度スパートをして見せた終盤での強さを思い出した。
松島も絶好調であれば、中盤でもうちょっと差を縮めることができたかもしれない。縮まり方次第では、最後の100 mがまた、違う走りになっていた可能性もある。
西村は世界選手権B標準の2分01秒30に0.80と迫り、追加代表の可能性を残した(他の選手もB標準を破れば代表になれる)。
女子5000m
市川良子(テレビ朝日)が欠場したので優勝者予想はレース前に決着。しかし、小崎まり(ノーリツ)が優勝することと、15分12秒76の日本歴代4位の記録を出すことは想像できなかった。前回のエドモントン世界選手権代表であるが、大会前の今季ベストは15分43秒46と32分31秒87。おまけに、2日前の1万mは腹痛のため7000m付近でリタイアし、精密検査を受ける話もしていたという。これだから、長距離種目の予想は難しい。
本人もレース後、なんで走れたのかわからない、という内容のコメントをしていたが、初マラソンで2時間23分台を記録した1月の大阪国際女子マラソン後にも、同じようなことを言っていた。後日、チームメイトから「小崎さんはやることはやっていた。日常生活からしっかりしていた」という話を聞き、今回のレース後に質問すると、本人は完全に否定。謙虚な性格なのだろう、きっと。
女子400 mH
吉田真希子(FSGカレッジリーグ)が優勝するのは外すわけがないが、55秒台の日本新は正直、ちょっとビックリさせられた。5月の国際グランプリ大阪で56秒13と初めてB標準の56秒25を突破。「国内のレースはいつも、前に人がいない。外国人に引っ張られると違う」とコメントしていたし、今大会のレース後も「ビックリ」と何度か口にしていた。本人もこの種目の日本新よりも400 mの52秒台を狙っていたようで、その辺は日本新確率の400 m「31%」と400 mH「23%」にも現れている(って、こちらが勝手に付けただけなのだが)。
陸マガにも書いたが、10台目の通過は大阪よりも0.2秒遅い。「最後の5歩が走れなかった」という反省から、今回はそこを意識したことが功を奏した。
2位の久保倉里美(福島大)が57秒30と学生新。2人のツーショットを、昨年のスーパー陸上に続いて横浜国際競技場のミックスドゾーンで撮影。
特筆すべきは3位の小坂田美恵(チムニー大宮)で、58秒13と自己記録(57秒83=01年の日本選手権)に次ぐセカンド記録をマークした。昨年3月20日に出産。6月から練習に復帰して、8月から記録会に出場。9月の全日本実業団で400 mHに復帰した。もちろん、経産婦選手としては日本最高(歴代2位は不明だが、圧倒的に引き離しているだろう)。
「ラスト、ちょっとあきらめてしまいました。粘れば、もう少し記録は出せたはずです。やるからにはもちろん、自己記録を更新したいですよ。ここまでのレベルに復帰するのに、考えていたよりも早いペースで来ているのは確かです」
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