2003/6/8 日本選手権
最終日全種目の懺悔とちょっと戦評。一部は記事に近いか? 男子フィールド
小林にとっての沢野A標準突破と日本新
沢野、小林、室伏

3人が世界選手権代表に内定

男子棒高跳
 沢野大地(ニシスポーツ)が5m75の日本新で2位に35cm差の圧勝。優勝者予想が的中しただけでなく、日本新確率も37%としていたので、まあまあか。昨日の男子200 mも34%としていたし、初日の女子棒高跳も44%。だが、記録は条件に左右されるもの。“偶然”に左右される部分が、順位予想と比べると大きい。
 日記で予告した小林史明選手について。
 小林は昨年すでにA標準を跳んでいるが、B標準突破者である沢野が5m50や5m60の時点では、代表になれる可能性は低かった。今回の記録が5m40だったので、“選考会議”でB標準の沢野が選ばれ、A標準の小林が落とされる可能性は高かったと思われる。
 つまり、沢野が5m70のA標準を跳んでくれた方が、世界選手権代表となれる可能性は大きい。実際、沢野は5m70に成功して小林も代表に選ばれたが、沢野は次の5m75までクリアして、小林の5m71の日本記録まで更新してしまった……小林の心境は複雑だったのではないだろうか。世界選手権代表になれる可能性が高くなったと思ったら、次の瞬間には日本記録保持者の肩書きがなくなってしまったのだから。
「まだ、(記録を塗り替えるには)早いだろうと思っていたのに、あっさり跳ばれてしまいました。あれだけ本数が多くなっても跳べるのは、若さでしょうか。でも、記録は塗り替えるためにあるもの。自分もまだ、やりますよ」
 と、前向きかつ、意欲的に話して去っていった。
 もう1人、大会前に「5m60で優勝が決まるのでは。できれば3人でA標準を跳びたい」と話していた安田覚(三重県教員ク)は5m40で小林と並んで2位。
「自分に負けました。技術が狂ってしまいましたね。(今日のところは)“大地、おめでとう”」

男子走幅跳
 寺野伸一(大阪陸協)が7m92(+1.2)で2連勝。勝負強さを見せつけた。優勝者に予想した荒川大輔(同大)が5cm差の2位。3位に大学2年の安部翔太(中大)が入ったのは健闘。ジュニアとはいえ、昨年の国体成年優勝者である。4位の田川茂(ミズノ)は4回目以後の試技を棄権。故障が再発したようだ。このまま誰もB標準(8m10)を跳べなければ、第2回ローマ大会以来の世界選手権への連続出場が途切れてしまう。
 高校生の今井雄紀(佐野日大高)が7m68(+0.4)と、自己記録に2cmと迫って5位。6回目には向かい風2.4mで7m60。ということは……。

男子砲丸投
 野口安忠(九州情報大ク)が2回目に17m73の今季日本最高を投げて優勝。予想が的中した……と書くと、さも簡単な優勝だったと思われてしまうが、選手サイドから見たら、不調のどん底から必死ではい上がって得た結果ということも多い。野口自身のサイトから、それがわかる。
 2位には17m44と、自己記録を4cm更新して畑瀬聡(日大)が入った。3位の大垣崇(日大)も17m11と、関東インカレでマークした自己記録を4cm更新。4位に教育実習中(実習明け?)の村川洋平(筑波大)が17m01で入り、史上初めて4人が17m台を同一試合で記録。

男子ハンマー投
 室伏広治(ミズノ)が出場さえすれば、優勝者予想が外れることはない。83m29は今季世界最高で、自己のアジア記録に18cmと迫る記録。日本新確率41%としたが、このレベルになったら、「新」の1文字が付くか付かないかは、どうでもいい問題だ……とも断言できない。日本新とそうでないのでは、報道のされ方が違うわけで、陸上人気を盛り上げることを考えたら、新記録を出すに越したことはない。が、日本新に匹敵する価値のある記録であることは、関係者・陸上記者が、機会がある毎に伝えなければいけないと思う。
 2位の土井宏昭(ファイテン)が73m33と自己記録を更新し、室伏との差を10m未満に抑えた。3位の碓井崇(イースト)も67m06と、今季出した67m71の自己記録には届かなかったが、好調ぶりを示した。


日本選手権トップページ  寺田的陸上競技WEBトップ