2003/6/7 日本選手権
第2日全種目の懺悔とちょと戦評 女子
中田が5910点の日本新
池田&森

女子フィールドのスズキ・コンビが代表に内定

女子100 m
 予想が的中して新井初佳(ピップフジモト)が6連勝。向かい風(0.7m)で11秒53は日本初かと思って調べたら、2000年の国際グランプリ大阪で坂上香織(ミキハウス)が同じ向かい風0.7mで11秒51、新井が11秒52で走っていた。

女子400 m
 予想通り吉田真希子(FSGカレッジリーグ)が優勝。2時間以上前だが男子400 m予選で好記録が続出していただけに、52秒台も予想されたが、惜しくも53秒20。前半の200 m通過は手元の計測で25秒7。自己記録を0.03秒更新し、日本歴代2位に進出した。

女子1500m
 優勝者予想は那須川瑞穂(佐倉AC)は予選の最後の直線に入った地点で転倒。決勝に進めなかった。
 外国選手が1・2位を占めたとはいえ、優勝したのは杉原加代(パナソニックモバイル)で、2日目終了時点で今大会最も意外な優勝者が誕生した。「自己ベストは前日の予選で出した4分23秒45。昨年までは4分29秒」だったというから驚きである。
 島根県出雲商高から入社3年目。高校時代は3000mが10分01秒台で、インターハイ・国体の出場経験はない。といっても、それは故障が原因。全国高校駅伝の1区では区間19位となって、現チームからスカウトされた。
「今後は5000mで16分を切れるようになりたい」

女子走幅跳
 2日目終了時点で最もドラマチックな代表入りとなった。予想は外れたが、感動的な幕切れだった。こういう形で予想が外れるのは、悔しくもなんともない。
 花岡麻帆(Office24)と池田久美子(スズキ)が4回目まで6m41で並んでいたが、セカンド記録で花岡がリード。5回目に跳躍順が先の池田が6m46(+1.1)で逆転すると、花岡もすぐに6m44(−0.3)と2cm差に迫る。この時点では池田はB標準未突破。代表となるには6回目にB標準を突破する必要があった。さすがに14cmも記録を伸ばすのは苦しいかと思われたが、6回目は6m64(+0.8)。
 さらにすごかったのは、花岡も6回目に6m63(+0.5)と池田に1cm差と迫ったこと。昨年、花岡は日本選手間で無敗だったので、本当に久しぶりの敗戦。実は大阪グランプリ後に右大腿を肉離れして、かなり際どい状態での出場だったことを、競技後に明かした。

女子砲丸投
 森千夏(スズキ)が自己の日本記録に5cmと迫る17m48で、予想通りに優勝。東日本実業団で自己新をマークし、今大会で17m突破も期待された市岡寿実(国士大ク)が2位だったが、記録が16m45にとどまったため、森の圧勝という形に。B標準突破は森1人だけで、代表に内定した。この種目の世界選手権出場は、史上初めての快挙。

女子七種競技
 中田有紀(さかえクリニック)の優勝は予想通りだったが、5910点の日本新は予想を上回る出来で、感動が大きかった。「初日の100 mHで失敗しましたが、あきらめませんでした」と中田。走高跳と砲丸投、200 mで自己新を出し、自己の持つ日本記録を48点更新した。
 2位の佐藤さよ子(日立インダストリイズ)は5649点。自己2番目の記録だが、「強化選手への規定に1点足りない」と悔しがった。
 3位の笠原瑞世(同大)が5404点のジュニア日本新。200 mでは24秒35と大幅な自己新。


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