2003/7/26 南部記念
日本新1週間後、2位に0.37秒差の圧勝
向かい風1m以上日本最高の13秒78
好調・内藤真人のコメント集

■レースを振り返って
内藤 3週連続の試合で、前の2試合は練習の一環で取り組んで、この南部が集大成の予定でした。この風(−2.9)の中だったら、今日の走り(13秒78)はよかったと思います。世界と戦うには13秒3台が必要。その記録を早く出したいですね。13秒47を出せたことで、13秒3台が現実味を帯びてきました。しっかりと目指していきたい。

■日本選手権までを振り返って
内藤 シーズン前半はハードリングが合っていない感じで…。それに加えて東日本実業団のアップ中に右の内転筋を痛めてしまい、日本選手権前にハードリングの詰めをやるつもりでいたのに、故障で1台も跳べませんでした。ぶっつけ本番だったわけですが、あの負け方は本当に悔しかったですね。(同じミズノの)室伏さんや末續と比べて、何やってるんだろうって情けなくなりましたが、それで気合いを入れ直すこともできました。意識改革ができたと思います。あそこで13秒6くらいで勝っていたら、意識改革はできなかった。今までも心がけていたつもりでしたが、MTC(ミズノトラッククラブ)のメンバーの活躍を見ていると、すごい刺激になります。僕も向上しないといけないという気持ちが、より大きくなるんです。
 その結果がこの3週間です。京都府選手権、愛知県選手権、南部記念と連戦して、A標準(13秒54)を破って、南部で勝つのを目標としてやってきました。ここで13秒4〜5を出さないと世界で戦うこともできないと。常に前を向いていきたいです。

■1台目までを特に意識
内藤 技術的には1台目までの入りが安定してきました。1台目の上に低いトンネルがあるイメージで跳んでいますね。日本選手権まではそこが悪かったんです。1台目までがいいと、2台目までも上手く加速できます。日本選手権までできなかったのは、走れていなかったこともありますが、1台目で浮いてしまっていたと思います。下手だなって、自分でも感じられるくらいで。ケガもあったし、練習で跳んでいなかったのもその原因だったと思います。今年の日本選手権までは、試合前にちょこっとハードリングをやるだけ。日本選手権後からハードル練習を増やして、安定してきたと思います。冬期で走力は確実に上がっているのにハードルの記録が出ないのはなぜかを考えて、もうちょっと技術練習を増やすべきだと判断しました。

■ケガの不安と試合出場のスタイル
内藤 脚に不安があると考え方がマイナス、マイナスになってしまいます。それが今は脚に違和感なくやれている。だからこそ、試合にたくさん出て、感覚をつかめるのです。僕はピンポイントで(1つのレースに)合わせるのでなく、レースにたくさん出て、その中でハードリングを考えて修正し、記録を出していくタイプ。そのスタイルは崩さずにやっていきたい。

■13秒47は失敗レース&刻むことが重要
内藤 (13秒3台を出すためには)1台目までの入りも重要ですが、ハードル間をできるだけ刻むことですね。愛知県選手権は4台目から詰まってしまって、失敗レースだったんです。フィニッシュしてタイムが出ていたので「あれっ?」と感じました。その部分が昨日の練習でいい感じででき、苅部さんとも「今日は1本だけでも記録を狙ってみよう」と話し合ったんです。しかし、今日は向かい風だったにもかかわらず、最後はハードルが近くになってしまいました。最後まで刻めないとダメです。
 愛知県選手権は3台目までの動きが明らかに、準決勝の13秒57より良くなっていました。その分、後半が崩れてしまいましたが、3台目までの感覚で後半も加速して行ければ13秒3台が見えてきます。(後半も崩れないためには)ハードルは調子が良くて走れるというものでも、全力で走って走れるものでもないですから、難しいのですが。

■世界選手権の目標
内藤 条件にはまれば13秒3台も行けると感じていますが、外国人ははまらなくても13秒3台の選手が多くいます。今の自分にはまだ、コンスタントに13秒3台を出す力はありません。13秒5台は出せると思いますが、それでは下の方をチョロチョロしているだけです。感触をつかめば(13秒3台も)出せると思うんですが…。世界選手権は、競技者としてファイナルを目指すのは当然です。準決勝で13秒3台を出せればそれも可能です。この前13秒47で走って、見えてきた部分もあります。

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